研究課題/領域番号 |
02680221
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
橘 秀樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (70126118)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 蛋白質 / モジュ-ル / リゾチ-ム / 再生 / folding / 構造形成 |
研究概要 |
1.新しい直接発現ベクタ-、ATGーTAG vector、を開発し、ニワトリリゾチ-ムのモジュ-ル結合体1+2+3+4+5(M1-5と略記)、M1ー4、M1ー3、M2ー5、M2ー4の大腸菌での発現を行った。M1ー2ならびにM1の融合蛋白質としての発現はできなかった.2.発現非誘導時の抑制は、minimal media中では完全であったが、rich media中では不完全であった。IPTG濃度や培養温度変化によっても可溶化状態への発現はできなかった。発現物の一次構造は期待通りであった。3.これらのモジュ-ル結合体はジスルフィド結合開裂下、天然リゾチ-ムに比べ、αーヘリックス含量が減少し、βーシ-ト含量が増加しているCDスペクトルを示した。この「残存」構造は、GuHCl変性において非協同的な転移を示した。グリセロ-ル、ソルビト-ル、メタノ-ル、トリフルオロエタノ-ル等は二次構造量を増加させた。4.変性・還元状態で精製したモジュ-ル結合体の再生(再酸化)物は、逆相HPLC溶出パタ-ンより、M1ー5とM2ー4を除いては、10種以上の分子種の混合物であった。ポリオ-ルやアルコ-ルを加えて再生した場合、M2ー5は立体構造の増加を示したが、協同的な三次構造形成は見られなかった。一方、ポリペプチド鎖全長を含むが特定のジスルフィド結合を一本欠いたリゾチ-ム改変体は、グリセロ-ル存在下で効率よく再生さ、天然リゾチ-ムと同程度の溶菌活性ならびに2次構造量を示した。5.M2ー5のアミノ末端を残基21まで伸長させ、ジスルフィド結合が3本架かり得るような改変体を作製し、グリセロ-ル存在下での再生を行ったが、正しいfoldingは見られなかった。従って、酵素活性を持つような立体構造の形成のためにはポリペプチド鎖のアミノ末端部分の残基1ー20が必要であり、一方、上述のM1ー4等の結果から、カルボキシル末端の残業108ー129も必要である事が示された。
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