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東アジアの経絵に関する体系的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02801009
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 美術史
研究機関弘前大学

研究代表者

須藤 弘敏  弘前大学, 人文学部, 助教授 (70124592)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード経絵 / 高麗大蔵経 / 中尊寺 / 平安仏教
研究概要

1)今回の研究で第一の成果は、南禅寺一切経中の高麗初雕版大蔵経御製秘蔵詮及び御製佛賦の挿画に関して、南禅寺の協力を得てきわめて詳細網羅的な調査を行なうことができたことである。当大蔵経経絵は十一世紀初頭に摺られたもので、祖本となった十世紀末開版になる北宋初雕勅版一切経を忠実に模刻しており、当時の東アジアにおける仏画や版画の様相を知る格好の資料である。これまで、その全貌が知り難かったが、今回の調査を通じてほぼその全容を解明した。また、その結果当版経挿画に北宋期仏教説話の種々のモチ-フが確認され、これが朝鮮や日本へ伝播する系統についても一つの展望を得た。そのため、本研究が意図した東アジア各国間の経絵伝播関係の解明をいくぶんなりとも果たすことができ、さらに今後の研究調査の十分な基礎条件を獲得した。
2)次いでは、九州・近畿・東北などの各地で行った資料調査の結果、新出資料を含めて多大の知見を得ることができた。また、写真資料も格段の充実をみた。なかでも中尊寺所蔵の紺紙金字一切経中に見いだした新出経絵は1)に述べた高麗初雕版大蔵経挿画と明瞭な関係が確かめられ、平安時代後半の仏教絵画と北宋や高麗仏画との影響関係を考える重要な資料として位置づけらる。
3)既に整理していた平安時代経絵作例の分析と、今回得た資料との総合的な検討の結果、平安時代の経絵における明らかな系統の存在の確認と、こうした絵画を制作していた工房を特定することもできた。いずれもこれまでは未解明の問題であっただけに、平安時代絵画史の研究上その意義は少なくない。
4)以上のような研究を進めるに当たって、本科学研究費の多くは調査旅費と機器(NEC PC9801NS)購入にあてられたが、旅費は上述のように十二分な成果をあげ得たし、機器は調査地へ直接持参してデ-タの入力分析比較に用いたが、きわめて効果的で、これまで考えられなかったような迅速な現地での調査記録や検討を果たすことができた。
5)本研究の成果は、平成3年度中に国際シンポジウムにおける発表と、学会誌での論文発表が予定されている。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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