研究課題/領域番号 |
02801023
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
津田 彰 久留米大学, 医学部, 講師 (40150817)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ストレス / 心理的ストレス / 不安・恐怖 / ラット / 脳内ノルアドレナリン / ストレスの神経化学的研究 / 扁桃核 / 視床下部 |
研究概要 |
本研究は、心理的ストレスの生物学的基礎、とくに脳内神経過程を解明することを目的としている。 本年度は、情動機能の調節に重要な役割を担っているとされる脳内ノルアドレナリン(noradrenaline,NA)神経系を指標にして、心理的ストレスと身体的ストレス状況下で起こる脳内NA神経活動の変化を神経化学的に比較検討し、以下に示すような知見を得た。 1.身体的ストレスに対する脳内NA神経活動の変化 (1)Activityーstress状況、すなわちラットを回転籠付ケ-ジで飼育し、給餌時間を1日1時間に制限すると、ラットの活動性は著明に増加し、ストレス開始より10日以内で胃潰瘍を発生させて死亡した。 (2)この時の脳内NA神経系の変化に関して、大脳皮質や中脳、橋と延髄など非常に広範な脳部位で、NAの放出亢進が著明に起こり、NAの主要代謝産物であるMHPGーSO_4含量が有意に増加した。 2.心理的ストレスに対する脳内NA神経活動の変化 (1)条件性恐怖状況、すなわちラットを前日に電撃を受けたことのある装置に戻すだけで、ラットはその環境を記憶しており、うづくまりや脱糞などの恐怖の行動的兆候を呈した。 (2)この時、NAの放出亢進は視床下部と扁桃核、青斑核部に限局して生じたが、その亢進の程度は身体的ストレスによって生じる変化と比較すると軽度であった。 これらの結果より、ストレス状況下では脳内NA神経系の活動性が亢進すること、その際、影響を受ける脳部位と変化の程度に関しては心理的ストレスと身体的ストレス状況下では相違することなどが明らかとなった。
|