研究課題/領域番号 |
02801042
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
小林 忠雄 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (00215336)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 色彩表徴 / 色の民俗 / 建築彩色 / 五行思想 / 日月山海里 / 染色技術 / 色の象徴物 / 色彩環境 / 都市の色彩特徴 / 呪術玩具 / 多色傾色 |
研究概要 |
本年度は前年度にひき続いて、伝統都市を中心としたフィ-ルドにおける色彩に関する民俗伝承の聞き書きと、文献資料および実物の写真撮影等の調査を実施した。 本年度予定した調査地は熊本市・松江市・金沢市・岐阜市・津市の計5か所であったが、実施したのは熊本県人吉市・鹿児島県知覧町・松江市・金沢市・弘前市の5か所である。これらはいずれも中世ならびに近世以降より始まった城下町であって、前年度の伝統都市における色彩表徴の事例研究を補足し、また深めるに足る対象地であった。 ちなみに、調査結果をまだ充分に検討していないので、早急に明確な結論を導き出すことは出来ないが、中世鎌倉期より城下町として発達した人吉市の場合、中世的な歴史遺物が少ないながらも、青井阿蘇神社の社殿に残る建築彩色には注目され、赤・青・黒の色彩表徴にひとつの歴史的意味を見つけだすことが出来た。しかし、その他民俗事象としては近世末期の事象の伝承より遡ることができず、また衣裳の染色などの技術も地方的な稚拙なものにとどまり、いわゆる京・大坂との物流関係に規制されることが多く、そこにはこの地方独自の色彩伝統を見出せなかった。このことは前年度の調査研究による都市(マチ)とその周辺農村との対比といった次元での差異でしか、その色の民俗の特色を見出し得ない結果とほぼ同一の傾向にある。 しかし、一方で従来からフィ-ルドとしている金沢においては、その後の調査によって五行思想に基づく五色のシンボリズム、すなわち日月山海里を意味する赤・白・黄・青・黒(紫)の儀礼的展開例を見出し、都市の民俗社会が色彩を重視する原理を新たに確認することが出来た。 現在、その他の文献資料との照合が出来ていないので、調査終了とともに、さらに分析を行い結果報告をまとめる予定である。
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