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I.A.リチャ-ズとW.エンプソンが東洋思想から受けた影響について

研究課題

研究課題/領域番号 02801059
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 英語・英文学
研究機関京都大学

研究代表者

桜井 正一郎  京都大学, 教養部, 教授 (60026812)

研究分担者 村形 明子  京都大学, 教養部, 助教授 (20115950)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードI.A.リチャ-ズ / W.エンプソン / 東洋思想の影響 / 科学と宗教 / 孟子 / 神道と仏教の併存 / Chung Yung / ケンブリッジ精神
研究概要

I.A.リチャ-ズは,西欧で科学と宗教が背反しあい、一方でキリスト教のドグマが科学を排除しているのに、また他方で科学が‘symbolic'で‘emotive'な言語を排除しているのに、心を痛めていた(Science and Poetry,The Meaning of Meaning)。彼はこの問題に対する解決を孟子に求めた。孟子は科学と宗教を一元論のもとに色摂していた(Mencius on the Mind)。彼にとって孟子の思想はまた、多義性を尊重する彼の文学理論を正当化するものでもあった。
リチャ-ズよりも激しくキリスト教を嫌っていた(Milton's God)W.エンプソンは、殉教と犠性を含まないインドと中国の宗教に共鳴した(‘The Abomidable Favcy')。彼が尊重した、対立する矛盾を矛盾のままに引きととめてゆく勇気(Poems)を、彼は孟子などの中国の賢人のなかに、また、神道と仏教が併存している日本の社会のなかに、見出した。
二人が学んだ東洋は、領域から出発したはずのリチャ-ズにとってはより個人の心のなかにあり、心から出発したはずのエンプソンにとってはより社会構造のなかにあった。
二人は東洋思想を客観的学問的に移入しようとはしなかった。二人は自己と西欧社会がかかえていた問題を解決する手段として、東洋をいわば利用したのであった。
二人に東洋思想を定着させたのは、二人の中国と日本での滞在経験だったが、二人を最初に東洋に導いたChung Yungがはたした役割も留意されなければならない(Richards,The Foundations of Aestheticsに寄せたYungの序文)。また、二人が学んだ頃にケンブリッジを支配していた、B.ラッセルの懐疑主義と、G.E.ム-アの人間中心主義とが、二人を東洋思想に近づけた基盤であったと思われる。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 桜井 正一郎: "エンプソンの詩と東洋" 『英文学評論』. (1992)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 村形 明子: 『英文学評論』. (1992)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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