研究課題/領域番号 |
02802007
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 東洋英和女学院大学 |
研究代表者 |
田中 愛治 東洋英和女学院大学, 人文学部, 助教授 (40188280)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 政党支持態度 / 投票行動 / 政治意識 / 無党派 / 政党支持なし / 選挙研究 / 政治支持 / 無党派層 / 支持政党なし / 社会調査 |
研究概要 |
本研究は、政治的に無関心ではない積極的な「政党支持なし」層を実証的に把握することを目的とした平成2〜3年度の萌芽的研究で、横浜市緑区の有権者を対象に郵送法による意識調査を行なったものである。当初の計画では、平成3年度は15名程度に深層面接を行なう予定であったが、計画の見直しを行い、平成3年度に平成2年度調査の回答者を対象とするパネル調査を実施した。平成2年度の第1次調査は平成3年4月の統一地方選挙前の同年2〜3月に実施し、平成3年度の第2次調査は宮沢政権発足後の平成3年11〜12月に行なった。 第1次調査のデ-タ分析から、従来の政党支持態度の質問に加えて積極的な無党派志向を探ると、なんらかの形で積極的に「政党支持なし」でいようとしている有権者がサンプル全体の約10パ-セント前後いる事が明らかになった。更に、各政党と無党派に対する感情温度尺度という指標の主成分分析によって、本調査の回答者の意識には「保守対革新」、「中道志向」、さらに「無党派志向」の3次元の構造が存在することが確かめられた。この無党派に対する感情温度尺度の適用は、わが国では初めての試みであったが、実証研究に利用可能なことが確認された。 第2次調査で、「政党支持なし」意識をまず訊ねるという、従来どの国でも用いられたことのない政党支持態度の質問方式を試してみた。その結果、63.7パ-セントの回答者が政党支持を持っていないと答え、従来の訊ね方をした第1次調査の31.2パ-セントと大きな相違を示し、従来の「政党支持なし」層を残余のカテゴリ-として扱う政党支持の質問方式が、無党派層を十分に把握していないことを明らかにした。この新たな質問方法の妥当性を今後の調査で更に検証していきたい。このように、深層面接は回答者の協力を得る時間が足りず実施できなかったが、パネル調査の実施により本研究の当初の目的は達成できたと考えられる。
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