研究概要 |
衛星塔載を意識した広帯域音響光学型電波分光計(AOS)の開発および実用化をめざして、本研究では以下のように研究を進めた。 1.広帯域ブラッグセルの選定・購入 分光計の性能を決定するキ-コンポネントであるブラッグセルについて、製品化されているものを広く調査し,最適な製品を選定・購入した。評価実験を行い,この製品が,これまで地上観測用AOSに使われてきたものに比べて分解能(分解点数)が3倍高いことを確認した。 2.可視ダイオ-ドレ-ザ-の選定・購入 コヒ-レント光源として使用するダイオ-ドレ-ザ-およびその安定化電源を、特にモ-ド純度,波長・出力安定度,光学系による波面歪みの少なさに注意して選定・購入した。これは現在入手できる上記の条件を満たす製品の中で最も光出力が大きい(3mW)。 3.全体設計および評価試験 購入したブラッグセルの分解能と偏向効率に基づき,電波入力から光出力へのスル-プットを計算し,使用するレ-ザ-の出力,出検出素子(1次元CCDアレイを選定・購入)の効率および雑音から,十分な信号対雑音比を得るための光学系の設計を行った。光学設計を踏まえて機械設計を行い,必要な部品の調達を行った。現在全体の組立てを行っており,間もなくAOSとしての総合試験ができる見通しとなった。なお、より高出力でモ-ド純度の高いレ-ザ-素子が最近国内メ-カ-から発表されており,それを入手して更に信号対雑音比を向上させることも計画中である。
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