研究課題/領域番号 |
02804010
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東京大学 (1992) 北海道大学 (1990-1991) |
研究代表者 |
赤石 義紀 東京大学, 原子核研究所, 教授 (50001839)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ストレンジネス / ハイパー核 / シグマ粒子 / ハイペロン / バリオン間相互作用 / ハイパ-核 / ケイオン |
研究概要 |
^4_ΣHと^4_ΣHeの束縛状態の存在可能性を私たちは4体計算によって理論的に示した。^4_ΣHeは、スピン・パリティO^+でアイソスピン1/2(99%)の束縛状態であり、結合エネルギーが3.7〜4.6MeV、幅が4.5〜7.9MeVであった。1989年、早野氏たちは、静止K^-吸収実験によってシグマ・ハイパー核の束縛状態が存在しうる証拠を得た。それは、上の理論計算と良い一致を示した。 ^4_ΣHeの束縛状態は間違いなく存在するのか?これはDalitz博士によって投げかけられた問いである。これに答え切るには、新たなデータが必要である。私たちは、450MeV/cの飛行K^-吸収のデータをとるのがよいと指摘した。早野氏たちはブルックヘブン国立研究所で600Meiの実験を行い、^4_ΣHeの存在について肯定的な結果を得つつある。 シグマ・ハイパー核の存在が軽い核の領域に限られるのか、或いは、もっと普遍的であるかは、興味ある問題である。重い核とシグマ粒子の間のポテンシャルを調べてみると、核表面近傍に付力の山が現われるという特異な振る舞いをしている。この付力の山は、もともとのΣN相互作用の付力と引力の強さが均衡していることから来るもので、重い核から軽い核まで普遍的にあらわれることが分った。^<208>Pb核におけるh_<11/S>のシグマ粒子は、クーロン引力と遠心力とで核表面付近に閉じこめられその上に特異な形の強い相互作用を受ける幅の狭い状態として存在しうることを私たちは示した。飛行K^-吸収反応が無反跳の条件で行われれば、この状態が強く励起される。このように私たちは、重いシグマ・ハイパー核の存在は可能であることを示した。
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