研究課題/領域番号 |
02804012
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
大島 隆義 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (00134651)
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研究分担者 |
白井 淳平 高エルネギー物理学研究所, 物理研究部, 助手 (90171032)
谷森 達 東京工業大学, 理学研究科, 助教授 (10179856)
福島 靖孝 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (10150004)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | K中間子 / CP不変性 / ルミノシティ- / Re(ε´ / ε) / 小林ー益川モデル / Superweakモデル / 輻射崩壊 / 飛跡検出器 |
研究概要 |
中性及び荷電K中間子の崩壊におけるCP,CPT不変性の破れの研究においてφファクトリ-がいかに有効であるか、その特徴と到達可能な物理について検討した。まずφ中間子のK中間子への崩壊は2体崩壊であり、キネマティックスが単純である上、C変換の固有値が保存されるため必ずK^+K^ーか、K_LとK_Sの対としてのみ崩壊する。従って特に後者においてはK_LとK_Sの大きな寿命の違いを利用すれば一方の検出により他方が完全にタグできるという大きな利点を持つ。加速器に必要とされるルミノシティ-10^<33>cm^<ー2>sec^<ー1>を前提とすると年間で10^<10>個以上のKK^^ー対が非常にクリ-ンな環境で発生する、その結果、(1)Re(ε'/ε)を10^<ー4>の精度で測定でき、小林一益川モデルとSuperweakモデルを明確に区別し得るデ-タが提供できること、(2)K^±の3π崩壊でK^+→π^+π^+π^ーとK^ー→π^ーπ^+π^ーの崩壊率の比をK^+→π^+π^0π^0とK^ー→π^ーπ^0π^0の崩壊率の比で割ったDouble Ratioの測定を行なうことができるので系統誤差が完全にキャンセルし10^<ー5>の精度でのCPの破れのチェックができること、(3)K^0→πlν崩壊の検出によりK^0→K^0^^ーとK^O^^ー→K^0の遷移確率の違いを測定しTの破れを初めて観測できること、(4)CPを破るK_s→3π崩壊を検出できること、(5)K_s→π^±l^<【.ー+.】>ν崩壊における荷電非対称度の測定によりCPの破れを検出できること、等の物理が可能となる。またηやπ^0がφ中間子の輻射崩壊で生成し、これらはγ線の検出で容易にタグできるので、ηやπ^0の崩壊におけるC,P,CPの破れについても広汎かつ精密なチェックが可能である。我々は以上の物理を行なうための測定器についても概念設計を行なった。ポイントはCPを破るK_L→2π崩壊が正解に検出できることであるが、バックグラウンドであるK_Lの3π^0やπlν崩壊事象を10^<ー6>まで抑えることが要求される。研究の結果、円筒型飛跡検出器と多数の鉛、シンチレ-タ及びガス層から成る光子検出器によってこれが可能であることがわかり、更に詳細な検討を進めている。
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