研究課題/領域番号 |
02804036
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
照井 従子 東北大学, 理学部, 助手 (00197815)
|
研究分担者 |
関口 章 東北大学, 理学部, 助教授 (90143164)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 有機ケイ素化合物 / シリセニウムイオン / ジシレン / ポリシラン / 電子移動反応 / 低配位 / ラジカルカチオン |
研究概要 |
炭素化学において3価のカルベニウムイオンは重要な合成中間体である。一方、カルベニウムイオンのケイ素類似体である低配位のシリセニウムイオンは溶液中では存在しないとされている。本研究は二重結合ケイ素化合物やポリシラン化合物を電子移動酸化することにより、溶液中で安定なシリセニウムイオンを合成することを目的として研究した。以下に研究成果の概要を述べる。 1.テトラメシチルジシレンやテトラキス(ビストリメチルシリルメチル)ジシレンなどのSi=Si二重結合化合物を合成し、その電子移動反応を詳細に検討したが、極めて複雑な反応結果を与えた。しかし、Si=Si二重結合化学種であるジシレン前駆体を新たに開発する事ができた。即ち、反応活性なジシレンを芳香環上にマスクした一連の7,8ージシラビシクロ[2.2.2]オクター2,5ージエン類を系統的に合成できた。 2.ポリシラン化合物の電子移動反応で低配位シリセニウムイオンを経たと見られる実験結果が得られた。即ち、分子内に水酸基を導入した一連のポリシラニルアルカノ-ルの電子移動反応を検討し、ラジカルカチオンのカチオン部が水酸基によって捕捉された環状シロキサンを収率よく生成した。 3.ケイ素鎖を複数個有するオリゴシランを強い電子受容体であるジシアノアントラセン(DCA)やトリス(pーブロモフェニル)アミニウム塩を触媒として一電子酸化し、オリゴシランの解裂様式を詳細に検討した。その結果、オリゴシランのSiーSi結合の切断位置に選択性が見られず、ポリシランの電子移動型酸化反応で選択的にシリセニウムイオンを合成することは困難であるとの結論に達した。
|