研究課題/領域番号 |
02804065
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物発生・生理学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
井内 一郎 上智大学, 理工学部, 助教授 (10011694)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 胚型ヘモグロビン / 胚型赤血球 / ヘモグロビンの転換 / 赤血球分化 / ニジマス / X線照射 |
研究概要 |
交付申請書記載の方法、すなわち、ヘモグロビンの電気泳動法、成体型ヘモグロビンに特異的に反応する抗体の調製法、および、組織化学的観察による、以下の結論を得た。 昨年度報告したように、フェニルヒドラジン(10^<-5>M)を10℃飼育下の10ー12日ニジマス胚に12時間処理すると、胚の持つ胚型ヘモグロビンは変性し、胚型赤血球は破壊・吸収され、正常胚の数%しか赤血球を持たない赤血球欠除胚ができる。以後、この胚に胚型赤血球は回復しない。 正常胚において、胚型ヘモグロビンを持った胚型赤血球の産生が停止し、成体型ヘモグロビンを持った成体型赤血球の産生が開始する孵化の時期になると、赤血球欠除胚にも赤血球が回復してくる。この回復してくる赤血球のタイプは胚型ではなく、成体型である。すなわち、フェニルヒドラジンによる胚型赤血球産生の抑制効果は、成体型赤血球産生に何ら影響を与えない。 一方、このような観点から、ニジマス胚の発生過程におけるX線の効果を調べてみた。X線の効果は照射時期と照射線量に依存するが、この実験の結果は、孵化前(15℃ー15日胚)に与えられたX線照射(2kR)は、胚型赤血球の産生・崩壊には何ら影響を与えないが、成体型赤血球の産生を深刻に抑制する、というものであった。 以上のように、胚型赤血球の産生と成体型赤血球の産生は、互いに独立した現象である。このことが幹細胞の由来の相違によるものかどうか、興味ある今後の研究課題である。
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