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熱水噴出孔周辺の原始的な蔓脚類の系流進化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02804070
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 層位・古生物学
研究機関千葉大学

研究代表者

山口 寿之  千葉大学, 理学部, 助教授 (10101106)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード熱水噴出孔 / 原始的 / 蔓脚類 / 系統分類 / 北フィ-ジ-海盆
研究概要

北フィ-ジ-海盆の水深1990mの熱水噴出孔から無柄目フジツボ亜目フジツボが採集された。ハワイ沖の浅海に生息するChionelasmus darwiniiに近縁であるが,形態的に異なり,そのギャップの大きさから新属新種(Eochionelasmus ohtai Yamaguchi)と判断された。周殻基底部に多層の付随小殻板を持つことや蓋板の筋痕などの特徴から,最も原始的なフジツボ亜目だったC.darwiniiよりも原始的,つまり最も原始的なフジツボ亜目であった。深海熱水噴出孔からは東太平洋海嶺で有柄目エボシガイ亜目のNeolepas zevinaeが,マリアナ背孤海盆で無柄目ハナカゴ亜目のNeoverruca brachylepadoformisが発見され,それらは各分類群で最も原始的であった。
これらの原始的なものは互いに外部形態が異なる。上唇,大顎,小顎,蔓脚などの軟体部の形態は極めてよく類似し(収れん現象),深海熱水噴出孔周辺のかすかな流れで運ばれる極めて細かな浮遊物体をとらえて食べるのに適した軟体部を持ち,浅海や潮間帯に棲む原始的なフジツボ類と著しく異なる。Eochionelasmusの個体発生は筋肉の柄を持った(有柄目)段階を経て,最終的にそれを失い,その一部に系統発生を含んでいる。中生代後期から新生代初めの適応放散で,浅海にいた原始的な分類群が,より進化した分類群によってニッチェを奪われ,浅海域に住んでいた祖先の絶滅後も,熱水噴出孔に用意された避難場所に逃げ込んで原始的な特徴を持ったまま特殊化したと考えられる。以上をまとめてPasific Science(1990).vol.44,no.2,pp.135ー155に掲載した。
またエボシガイ亜目はNeolepas zevinaeの他に,沖縄トラフに2新種および北フィ-ジ-およびラウ海盆にそれぞれ1新種が,ハナカゴ亜目はNeoverruca bracylepadomorphaの他に,沖縄トラフに2新種,海形海山に1新種,北フィ-ジ-・ラウ海盆に1新種が生息することが判った。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Toshiyuki Yamaguchi: "A new and primitive baunacle(Cirripedia:Balanomorpha)from the North Fiji Basin abyssal hydrothermal field,and its evolutionary implications" Pacific Science (University Hawaii Press). 44. 135-155 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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