研究概要 |
数値流体力学へ最適制御を用いて,適応制御の最適化,保存則の数値解の最適化をおこなう新しい試みについて研究した. まず数値流体力学における適応格子の発生法に最適レギュレ-タを応用して,従来の方法より簡単で,生成に要する計算時間も短い適応格子の発生法を開発した.適応格子の発生法を開発した.適応格子の生成にはPoissonの方程式を用い,この方程式を状態空間方程式に置き換え,2次評価関数最小化によって最適適応格子を生成した.本方法によれば適応格子生成に要する計算時間はきわめて短い.特に,1次元適応格子にその効果が顕著にあらわれる.ただし,この場合は格子発光後,位置の修正,スム-ジングなどが必要となる.そのためスム-ジングを不要にした準1次元格子,位置の修正も自動的におこなう2次元格子へと発展させた.ただし,後になる程格子生成に時間がかかり,計算の領域も大きくなる.今後の課題は3次元適応格子へ拡張すること,汎用性をもたせること,計算時間を短くし,領域を小さくすることなどである. つぎに,保存則の数値解の誤差の最小化を最適レギュレ-タを応用しておこなうことを試みたが,方程式の非線形性が強く,適応格子の場合ほど成巧しなかった.ただ,数値解の振動抑制法,2次精度丸め誤差の最小化はスカラ-の場合はかなり成巧した.この課題については,さらに追及すれば成巧を見るのではないかと思われる.
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