研究概要 |
本研究の結果は,以下のように要約される。 (1)サイズパラメ-タの大きなアルミナ,ガラス,ステンレス粒子充てん層のふく射物性(減衰係数,アルベド,HenyeyーGreensteinの位相関数)を,境界散乱光強度適合法によって決定した結果,減衰係数は,非相関散乱理論により予想される値より大きな値となること,位相関数は,透明粒子の場合,前方散乱が,不透明粒子の場合,後方散乱が,それぞれ,顕著になること,アルベドは,単一粒子の場合より増加することなどがはじめて明らかになった。 (2)Kellerの統計的波動伝播理論を用いて,高密度分散媒体の減衰係数を与える理論式を導出し,それを用いて,サイズパラメ-タ(α)と粒子群体積分率(fr)の関係を示す,散乱領域判定マップを作成した。その結果,従来,Tien等により明らかにされたものと異なり,領域は,3つに分かれること,サイズパラメ-タの大きな粒子よりなる充てん層の場合,fr>0.07899では,相関散乱支配となることが明らかになった。 (3)上記(1)(2)の結果をもとに,発見法的な相関散乱理論を提案し,それにもとづき,ガラス粒子充てん層内伝導ーふく射伝熱を解析した結果,高アルベド媒質に対しては,相関散乱効果は,あまりきかないことを明らかにした。
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