研究課題/領域番号 |
02805090
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
嶋田 志郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002310)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 固体の熱分解反応 / AE法 / 同時測定熱分析 / 分解反応機構 / AE計測 |
研究概要 |
固体の熱分解反応を自ら開発したAEーDTA同時測定熱分析装置によって研究した。固体の分解反応によって発生するAE信号をAEセンサ-で捉え、Uプロットで電気信号として変換後countrate及びcumulative countsとして計測した。このAE信号の計測と同時にDTA測定を行い、AEーDTA測定の結果から次のことが判明した。 I)KClO_4の相転移の開始より100℃低温の200℃からAE信号が発生し、300℃での相転移まで続き、転移が終了すると同時に停止した。このAE信号は融解より50℃低温で再び発生し、融解と同時に大きくなった。さらに、分解に伴って非常に大きな2つのピ-クからなるAE信号が認められ、分解が2つの段階を経て進行することが実証された。更に、分解生成物である溶融NaClの固化をinーsituでAE信号から捉えることが出来た。NaClO_4の場合は、AE計測の結果から分解は4つの段階を経て進むことが推測された。 II)MgCl_2・6H_2Oの脱水過程は、DTAの結果から6つのstepからなり、このDTA曲線によく対応してAE信号が現われた。 III)NaN_3の分解は、442℃で爆発的に進行し、DTA曲線上では鋭い発熱ピ-クとして現れ、AE信号も非常に大きく発生した。しかしながら、AE信号は分解の50℃低温から既に発生し、NaN_3粉体粒子中で既に何等かのメカニカルな現象が起きていることが分かった。 IV)CaCrO_4を加熱したところ、600℃まで試料の色調、DTA曲線、X線回折図上では何等変化は認められなかったが、400℃から2段階を経てAE信号が現れた。 以上、固体の熱分解反応にAE法を応用したところDTA法では捉えられない速い反応やメカニカルな現象を捉えることができることが明かとなった。
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