研究課題/領域番号 |
02805093
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
淺野 満 京都大学, 原子エネルギー研究所, 助教授 (80027127)
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研究分担者 |
水谷 保男 京都大学, 原子エネルギー研究所, 助手 (70027134)
原田 敏夫 京都大学, 原子エネルギー研究所, 助手 (50027132)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ホウケイ酸ガラス / 質量分析 / 蒸発 / アルカリ金属 / アルカリ土類金属 / 活量 / 高温 / メタホウ酸塩 |
研究概要 |
ホウケイ酸ガラスは、分相や低融性を利用し、多くの分野で利用されているが、組成を精密に制御するためには、ガラス中のアルカリ成分などの蒸発減量を考慮する必要がある。それで、ホウケイ酸ガラスよりアルカリ成分がどのような化学形で蒸発するかを質量分析法により明かにし、つぎに、ガラス中のアルカリ成分の化学活量を分圧測定より求め、その活量変化から蒸発が抑制される現象を研究して、次の成果を得た。 1.Rb_2OーB_2O_3ーSiO_2系ガラスはRbBO_2ーSiO_2擬2成分系とみなされるが、この系の混合の過剰自由エネルギ-は負である。即ち、RbBO_2ーSiO_2系は相互作用の結果安定化される。 2.RBO_2ーSiO_2(R=Li、Na、K、Rb、Cs)擬2成分系ガラスでは、RBO_2成分の活量はLi>Na>K>Rb>Csの順であり、CsBO_2は熱化学的に最も蒸発しにくい。これは、RBO_2ーSiO_2間の相互作用エネルギ-が上記の順に低くなることから説明できる。 3.セシウムホウケイ酸ガラスに他のアルカリが共存するとき、CsBO_2の分圧は共存アルカリの影響を受け、Li<Na<K<Rbの順に低くなるが、このことはガラス中におけるRBO_2ーCsBO_2間の相互作用エネルギ-が、上記の順に低くなることより理解できる。 4.ホウケイ酸ガラス中のRbBO_2成分の化学活量は、周期律表で隣りのSr(BO_2)_2成分より小さい。即ち、RbBO_2成分の方が蒸発が抑制される。これも同様に、RbBO_2ーSiO_2間の相互作用エネルギ-がSr(BO_2)_2ーSiO_2間のそれより低いことより説明がつく。 5.蒸発種であるSrSiO中のSrーSiO間の解離エネルギ-は、LiーSiOやKーSiOのそれらの値の丁度2倍である。
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