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遷移金属粘土の合成とその触媒機能の開発

研究課題

研究課題/領域番号 02805100
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 工業物理化学・複合材料
研究機関名古屋大学

研究代表者

卜部 和夫  名古屋大学, 工学部, 助手 (60092540)

研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード粘土 / フッ素雲母 / カチオンの固着 / 遷移金属 / 層間架橋 / 触媒
研究概要

1.報告者らは,カチオン変換容量(CEC)が大きく,かつ膨潤性を有する点でユニ-クなフッ素四ケイ素雲母(TSM)において加熱により層間カチオン(ランタンなど)の固着(CECの低下)が起こることを初めて見出した。これにアルミニウム(Al)ポリカチオンを用いて層間の架橋操作を施すことにより得られるミクロ多孔体の酸触媒能は,固着を行なわないものに比べ数十倍と飛躍的に向上する。そこで固着カチオンとして遷移金属に着目し,遷移金属粘土の合成を試みた。(1)3価のクロム(Cr)ではCECの低下が大きく膨潤せず架橋体が得られない。2価のニッケル,銅では固着と同時に架橋体も形成する。カチオンサイズのより大きな2価のパラジウム(Pd),1価の銀では高表面積の明確な架橋体を形成することがわかった。特にPdの導入による脱水素能の付与は顕著であり,クメンの反応において76%の選択率でαーメチルスチレンが生成する。(2)ミクロ細孔内に固定されたPdの機能を生かすため,サイズの小さなシクロヘキセンと大きなシクロドデセンとの競争水素化反応に適用した。カ-ボン上に担持されたPd触媒と比べて,Pd固着架橋TSMではシクロドデセンの水素化速度がシクロヘキセンよりも大幅に抑制されるという形状選択性が発現することも見出した。設備備品のガスクロマトグラフとインテグレ-タはこれらの反応進行を追跡評価に必須な分析機器である。
2.TSMの層間にCrのポリカチオン架橋剤を導入することによっても遷移金属粘土を合成できる。得られたCr架橋TSMは,Al架橋TSMと比べてエチルベンゼンからスチレンを得る脱水素触媒として遥かに高性能であることを見出した。
3.非膨潤性のタルクにケイフッ化ナトリウムを反応させて得られるフッ素雲母においても,前述の層間カチオンの固着が起こることを新たに見出した。全ての実験には薬品の精秤のため備品である天びんを用いた。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kazuo Urabe: "Synthetic Niーsubstituted Saponite as a Catalyst for Selective Dimerization of Ethene." J.Chem.Soc.,Chem.Commun.807-808 (1989)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Hiroaki Sakurai: "Acidity Enhanced Pillared Clay Catalysts Modification of Exchangeable Sites on Flaorーtetrasilicic Mica by the Fixed Interlayer Cations." Bull.Chem.Soc.Jpn. 62. 3221-3228 (1989)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Hiroaki Sakurai: "Pillared Tetrasilicic Mica Catalysts Modified by Fixed Interlayer Cations.Classification of Fixation Mode by Cations." Bull.Chem.Soc.Jpn.63. 1389-1395 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 卜部 和夫: "合成粘土の触媒機能ーSwellable Crystalの魅力ー" 粘土科学. 30. 148-156 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Hiroaki Sakurai: "Pillared Tetrasilicic Mica Catalysts Having Fixed Interlayer Ca Ions.Comparison with Other Clays." Bull.Chem.Soc.Jpn.64. 227-235 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Kazuo Urabe: "Talcーderived Pillared Clay as an Acidityーtunable Catalyst." J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Yusuke Izumi: "AcidーBase Catalysis" Kodansha, 12 (1989)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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