研究課題/領域番号 |
02805106
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辰巳 敬 東京大学, 工学部, 助教授 (30101108)
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研究分担者 |
大島 義人 東京大学, 工学部, 助手 (70213709)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ゼオライト / アルケン / アルカン / 酸化 / 選択性 |
研究概要 |
ケイ酸および遷移金属(Ti、V、Mo、Mn、Fe)化合物を原料とし、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキサイドを細孔径調節剤として用い、水熱合成により遷移金属を骨格に含むゼオライト(メタロシリケ-ト)を合成した。このようにして得られたメタロシリケ-トがゼオライト骨格内に遷移金属を含むことをX線回析からの単位格子体積の増大より確認した。 チタノシリケ-トを触媒とし過酸化水素を酸化剤として、オレフィン、パラフィンの酸化を行い、それぞれ、エポキシド、アルコ-ルならびにケトンを得た。この際、直鎖のオレフィンならびにパラフィンは酸化され易い一方、分枝、環状のオレフィン、パラフィンはほとんど酸化を受けないというきわめて特異な形状選択性を見いだした。この種の反応を阻害することが分かっているアミンを用い、トリエチルアミンでは反応が停止するのに対し、トリフェニルアミンのような細孔に入りえないアミンは阻害しないことから、反応はゼオライトの細孔内部で起こっていることが推定された。オレフィンの酸化においてはアモルファスなシリカチタニアがシス体からシスエポキシドの反応が非常に速いのに比べて、チタノシリケ-トではトランス体との差が小さい。これはシス体の拡散がトランス体に比べて細孔内で不利であるためと考えられる。パラフィンの酸化は末端メチル炭素ではほとんど起こらず、メチレン炭素で位置に関わりなく起こった。また、ケトンは一次生成物のアルコ-ルを経由して得られること、2ーオ-ルの酸化が3ーオ-ルや4ーオ-ルに比べて著しく速いことが観察された。 チタノシリケ-ト以外でもオレフィンの酸化は進行したが、酸化速度は一桁以上小さく、過酸化水素の非生産的分解が速やかに起こった。
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