研究課題/領域番号 |
02805110
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
堀 照夫 福井大学, 工学部, 助教授 (90092832)
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研究分担者 |
中村 良治 福井大学, 工学部, 教授 (80020189)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 生体類似機能膜 / タンパク質複合膜 / 電場印加装置 / キャスト法 / 電子伝達機能 / 膜電位 / 選択透過 / 共役酸化還元反応 / ポリペプチド複合膜 / 共役酸化還元機能膜 / 電子伝達機能膜 / αーヘリックス構造 / 溶質透過 |
研究概要 |
1.ゼラチン(GEL)やフィブロイン(FIB)のようなタンパク質とポリエチレンテレフタレ-ト(PET)を両者の共通溶媒に溶解し、これをキャスト液として、作製した装置内で静電場を印加しながら、複合膜を調製した。 2.得られた複合膜、GEL/PET(2/8)について顕微鏡観察、膜電位測定、熱分析(DSC)、含水膜の内部水構造解析、有効固定電荷密度等を調べた結果、電場印加により膜内でGEL部が膜面に垂直な方向に引き伸ばされて膜を貫通するように配向分散することが明らかにされた。そして、この構造が生体膜と酷似していることを示した。 3.GEL/PET(2/8)膜についてグルコ-スとフェノ-ルの水溶液からの透過を行なったところ、高いpHセンシティビティ-が観察され、また両溶質の透過係数は全く逆のpH依存性を示すことを見出だした。 4.GEL/PET、SER/PET、FIB/PET複合膜に銅イオンをド-プし、これらの膜を介して、チオグリク-ル酸・メチレンブル-の共役酸化還元反応を行なったところ、これらの反応が効率よく駆動することを明らかにし、この機構について説明した。 5.タンパク質モデルとしてポリーγーベンジルーLーグルタメ-ト(PBG)を用い、これとポリスチレン(PS)をベンゼンに溶解し、電場下でのキャスト法により、前者成分膜面に垂直方向に配向分散した複合膜を得た。 6.GEL/PET(2/8)、PBG/PS(2/8)膜について電解質の水溶液からの透過速度を測定した結果、前者の膜では透過係数は全てのpH範囲にわたって、スト-クス半径の順で変化したが、後者の膜ではこの順にならず、この結果をPBG部が膜内でαーヘリックス構造をとることで説明した。 7.SER/PET(2/8)複合膜の両面にそれぞれアルコ-ルデヒドロゲナ-ゼ(ADH)とジアフォラ-ゼ(DP)を固定化し、NAD^+/NADHを共通補酵素とする共役酸化還元反応を駆動させたところ、固定化により酵素活性は著しく低下したが、II槽における反応は2倍近く大きくなり、I槽で生成した電子が効率よく膜内に伝達できることを示した。 8.以上の総括として、電場印加法により調製したタンパク質/疎水性高分子複合膜が生体類似機能膜として極めて有効な膜であると結論した。
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