研究課題/領域番号 |
02806033
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
片山 義博 東京農工大学, 共同研究開発センター, 助教授 (10214339)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | リグニン分解 / 遺伝子機能 / プロトカテク酸4、5ジオキシゲナ-ゼ / 塩基配列 / 2ーピロン4、6ージカルボン酸 / CHMSデヒドロゲナ-ゼ / PDCハイドラ-ゼ / 芳香環メタ開裂系 / プロトカテク酸4、5ージオキシゲナ-ゼ / ムコン酸セミアルデヒド |
研究概要 |
本研究は、リグニンの微生物による分解代謝過程が、数十億年にわたる生物進化の過程で、地球上の炭素循環過程の重要な役割を担うリグニン分解代謝に係わる機能として発展してきた生物機能であること、その多くが、現在の人類が取り扱う化学反応の特異性をはるかに凌ぐ反応系から構成され、しかもそれらの機能に関する情報がDNA構造に保持されていることに着目し、これらの生物機能を遺伝子工学的手法によって工業的レベルで利用することにより、極めて特異性の高い反応触媒システムを構築することを目指したものである。平成2年度に於いては、プロトカテク酸4、5ージオキシゲナ-ゼ遺伝子の下流域に、プロトカテク酸の酵素的環開裂によって生成するムコン酸セミアルデヒドを2ーピロンー4、6ージカルボン酸に変換する酵素(CHMSデヒドロゲナ-ゼ)をコ-ドする領域を見出だしその解析を進めた。 平成3年度は、CHMSデヒドロゲナ-ゼ遺伝子のNー末端領域845塩基対の構造を決定した。本遺伝子は、既に我々が決定したプロトカテク酸4、5ージオキシゲナ-ゼ遺伝子より、293塩基対を隔てたATGより始まり、共通の転写制御を受けていることが明らかとなった。さらに本年度の研究成果は、プロトカテク酸4、5ージオキシゲナ-ゼ遺伝子の上流域に、2ーピロン4、6ージカルボン酸の加水分解酵素(PDCハイドラ-ゼ)遺伝子が存在する事を突き止めその機能解析を進めた。本研究成果により、プロトカテク酸のメタ開裂代謝系酵素遺伝子がクラスタ-として存在し、同一の制御を受けていることを世界に先駆けて明らかにすることが出来た。また、この遺伝子断片よりPDCハイドラ-ゼ遺伝子領域を欠損させ、大腸菌に導入させ機能させた所、プロトカテク酸から著量の2ーピロンー4、6ージカルボン酸を生成することに成功し、遺伝子機能を用いた芳香族化合物の変換プロセス構築の可能性が証明された。
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