研究課題/領域番号 |
02807006
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
上田 秀一 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (60150570)
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研究分担者 |
由利 和也 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10220534)
河田 光博 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (60112512)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | セロトニンニュ-ロン / 攻撃行動 / 外側視床下野 / 移植 / 免疫組識化学 |
研究概要 |
ラットの攻撃行動であるマウス殺し行動(muricide)に対するセロトニンニュ-ロン系の役割りを明らかにするために、動物行動をモニタ-し、選択的セロトニン神経毒による破壊実験および神経組識移植実験を組み合わせて検討した。また脳は、セロトニン免疫組識化学によりセロトニン線維の変性・再生状態を詳細に解析した。 1.背側縫線核および上中心核を含む中脳縫線核の破壊は、ラットに高頻度(80%)でmuricideを出現させた。 2.中脳縫線核破壊によりmuricideが出現したラットでは、去勢し、女性ホルモン(エストロゲン)を長期間投与してもmuricideは抑制されなかった。 両側性の外側視床下野におけるセロトニン線維の破壊は、高頻度にmuricideを出現させたが、他の前脳部位(嗅球、中隔、扁桃体、視床下部腹内側核)のセロトニン線維の破壊では、muricideは出現しなかった。 4.中脳縫線核を破壊しmuricideを起こしたラットの外側視床下野の近傍へ胎生縫線核組識を移植した。移植を受けない群では、mouse killingにまでいたる時間の短縮が観察されたが、一方、移植を受けた群では、移植後1週間からmouse killingにいたる時間が延長し、2週間後からmuricideが観察されなくなった。 以上のことから、外側視床下野におけるセロトニン線維がmuricideに対して抑制的に働いていることが明らかとなった。
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