研究課題/領域番号 |
02807017
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
能勢 博 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (40128715)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Dehydration / Rehydration / Na electrode / Cerebrospinal fluid / Continuous measurement / Naーelectrode |
研究概要 |
1)麻酔下ラット脳室内Na濃度連続測定するために、低入力抵抗の複合型Na電極を開発した。その結果、入力抵抗10^7ー10^8ohm、感受性57ー64mV/decade、90%応答時間30ー90msec、ドリフト0.1ー0.2mV/hrの電極を得た。生理的変動範囲で他の陽イオンの影響を受けず、測定精度は±0.5meq/lであった。 2)その電極を用いて、体重の10%に相当する脱水を負荷したラットにおいて体重100g当り2.5mlの水分を10日間に亘って胃内投与した際の血液中と側脳室内のNa濃度を同時連続測定した。その結果、脱水ラットでは血液中のNa濃度が低下して2分後に髄液Na濃度が低下し始めるのに対し、非脱水ラットでは5分後に初めて髄液Na濃度が低下した。これらの実験事実は脱水ラットにおいては非脱水ラットに比べ、血液脳室間の水分移動に対する透過性が亢進していることを示唆している。 3)脱水ラット、非脱水ラットの両群において、投与終了20分後でも髄液Na濃度の変化は血液Na濃度変化の60%に過ぎず、血液中に比べ髄液のNa濃度変化は緩徐であった。すなわち、脱水ラットでは血液中のNa濃度が脱水前の値に復帰した後も髄液Na濃度は高く保たれ、利尿抑制、口渇感維持等の浸透圧刺激となり得ることを示している。 4)上で開発した電極を意識下ラットでも用いられるように改善を加えた。即ち、従来の電極の毛細ガラス管の部分をFlexibleな中空グラスファイバ-に付け替えることによって可能となった。 5)慢性に側脳室内にガイドカニュウラを挿入固定したラットにさまざまな濃度の高張液を脳室内投与して、飲水量を測定した。この実験よって飲水を引き起こす最低限の高張Na濃度が決定された。 6)今後、飲水を引き起こす最低濃度のNa溶液の投与を行なった際の脳内各部のNa濃度の変化をNa電極で測定し、飲水行動との関連を検討する予定である。
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