研究概要 |
哺乳動物の胚の初期発生において、父性,母性ゲノムで機能的に異なる役割をもつゲノム領域があり,これをゲノムのインプリンティングと云う。この領域では、両ゲノムのメチル化の程度の違いがみられ、これが機能上の違いを示すシグナルと考えられている。 我々は,マウスゲノムに内在するミニサテライトDNAの一種moー2をプロ-ブとし、マウスゲノム上のメチル化状態の違う多くのインプリント領域を同定できた。これらの領域を単離する目的で、moー2の繰り返し単位の配列とマウスゲノムに散在するB_2配列をプライマ-としPCR法による約200ー1000塩基対の7種類のPCR産物を得、クロ-ン化した。このうち6種類については、一部DNA塩基配列を決定した。ついで、moー2座の染色体上の位置を決定するため、サザンブロット法とPCRーSSCP法を行った。RIマウスCXSで14/14とCXBで6/7で染色体11番,OXAで13/14と染色体15番であるとの結果を得た。また得られた7種類のクロ-ンのうちの17のクロ-ンをプロ-ブにし、ゲノムDNAのHpaII消化物にサザンブロット法を行ったところ、親の性に依存したメチル化状態の違いを認別できたので、他のクロ-ンについても現在検討中である。また、moー2反復配列のより長いフランキング領域の単離についても進行中である。
|