研究課題/領域番号 |
02807030
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
後藤 貞夫 産業医科大学, 医学部, 助教授 (50131917)
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研究分担者 |
唐崎 裕治 産業医科大学, 医学部, 助手 (20140907)
平野 英保 産業医科大学, 医学部, 講師 (50040241)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ヒト細胞の不死化 / SV40ゲノムの挿入部位の構造 / ヒトセンイ芽細胞 / 不死化 / SV40 / ウィルスゲノムの組み込み / 細胞老化 |
研究概要 |
SV40によってトランスホ-ム且つ不死化したヒト細胞のSV40ゲノム挿入部位の細胞DNAの塩基配列の特異性と不死化との間に何らかの関連性があるかどうかをみることを目的として、研究を行った。まづ、VA13細胞(SV40ゲノムが唯一カ所においてのみ挿入されている)について、ウィルスゲノム挿入部位をクロ-ニングして、その構造をディデオキシ法により決定した。その結果次のような知見を得た。1.挿入部位には、既知の癌遺伝子或いは、癌抑制遺伝子はみられなかった。このことは既知の癌抑制遺伝子の破壊によって不死化成立しているのではないことを示している。2.ウィルスゲノムと細胞DNAの間にはシ-クエンスの相同性がみられなかった。これは挿入に際して相同組換が起こっていないことを示している。3.挿入部位近傍には5〜29塩基対の短いリピ-トが数多くみられた。この意味は不明である。 続いて更にもう一つのヒトの細胞株についても同様な手法を用いて、研究を行った。この細胞株XP(20S)SVもウィルスゲノムは、唯一カ所においてのみ挿入されていた。ウィルスゲノム挿入部位近傍の細胞DNAクロ-ニングを行った後、約2Kbに亘って塩基配列の決定を行った。その結果HindIIIファミリ-と呼ばれるリピ-トシ-クエンスの存在を見いだしたが、癌遺伝子或いは、癌抑制遺伝子等はみられなかった。以上の結果から最終結論として、ウィルス挿入部位には癌遺伝子或いは、癌抑制遺伝子のような癌化叉は不死化と関連するような特異な構造の存在は見いだし得なかった。
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