研究課題/領域番号 |
02807042
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
井上 達 横浜市立大学, 医学部・病理学第一講座, 助教授 (50100110)
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研究分担者 |
平林 容子 東京大学, 医科学研究所・分子生物学研究部, 学術振興会特別研究員
佐々木 秀樹 横浜市立大学, 医学部・小児科学講座, 講師 (50106316)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / CFUーS / 脾コロニ- / 放射線感受性 |
研究概要 |
私どものトリチウム・チミジン・自殺試験などによる検索によれば、CFUーSは、S期の細胞をより多く含み、多方向性の分化能に乏しい比較的成熟した分画(早期出現コロニ-の前駆細胞)と、S期の細胞に乏しくquiescentで、分化の多方向性に富む分画(晩期出現コロニ-の前駆細胞)とに分かれた。種々の刺激に対して、前者が高感受性を示すのに対して、後者は余り影響を受けなかった。こうしたCFUーSのheteerogeneityを反映した放射線感受性の異なった亜分画の検討はされてこなかった訳ではないが、実際に検出されていなかった。 骨髄細胞に400ラドないし600ラドの比較的高線量放射線を照射し、致死線量照射したマウスに移植して脾コロニ-を作らせると、高線量照射にお拘らず推定値を上回って生残する放射線感受性の比較的低い分画が認められた。すなわち、高線量部分で、放射線生残曲線の傾きは平坦化し、そのD_0は270ラドと、停戦領域から求められるD_0値、90ラドを大きく上回っていた。この事実は、本研究課題により、マウスの系統を変え、詳細に検討がなされたが、何れの実験においても普遍性の高い事実であった。 この実験では、放射線の生物作用における酸素効果の程度が考察されなければならない。骨髄細胞の照射はin vitroで行ったので、この時間が長くなり低酸素状態が長くなれば、放射線感受性は自ずと低下する。照射の中断によって働く修復機転を避けるため、照射実験中の試験管の振盪は行っていない。しかしこの実験での線量率は高く、照射時間は600ラドでも高々4分14秒に過ぎない。酸素効果はminimumと考えて良いと思われる。他方、そうした非生理的な低酸素効果を実験条件から除くためには、in vivoの照射法による追試が考えられるが、照射後の骨髄細胞の採取が与える機械的損傷など、技術的修飾条件が錯綜する危険性が高いように思われ、実施しなかった。
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