研究課題/領域番号 |
02807044
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
田辺 和裄 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (40047410)
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研究分担者 |
高田 季久 大阪市立大学, 医学部, 教授 (10046815)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | マラリア原虫 / Plasmodium / クロロキン / カルシウム拮抗剤 / カルモジュリン阻害剤 / 抗うつ剤 / 薬剤耐性 / ピリメサミン |
研究概要 |
1.予備的研究によりカルシウム拮抗剤がP.chabaudiのクロロキン耐性を消失させることを見い出しているが、この消失作用がカルモジュリン阻害剤のトリフルオペラジン、クロ-ルプロマジン、三環系抗うつ剤のデシプラミン、イミプラミンでも確認された。また、これらの薬剤はクロロキン感受性株に対してもその感受性を増大させた。 2.カルシウム拮抗剤、カルモジュリン阻害剤、三環系抗うつ剤による抗マラリア剤耐性の消失作用はP.chabaudiのピリメサミン耐性については認められなかった。 3.高速液体クロマトグラフィ-により原虫内のクロロキン量を測定したところ、クロロキン耐性P.chabaudiでは感受性株よりもクロロキンの蓄積が少ないことが明らかになった。この耐性原虫株にベラパミルやデシプラミンを投与するとクロロキンの原虫内蓄積が著しく亢進することを認めた。一方、両剤は感受性原虫株に対しても原虫内のクロロキンの蓄積を亢進させた。 4.クロロキン耐性及び感受性P.chabaudiに対するクロロキンの作用を電子顕微鏡的に観察した。クロロキン投与後、感受性原虫では初期変化としてFood vacuoleの膨大化、Food vacuole内マラリア色素の集積、後期変化として小胞体の消失、リボゾ-ムの凝集、電子密度の高い核内小粒の出現などが認められたが、クロロキン耐性原虫はこのような変化を示さなかった。耐性原虫にクロロキンと同時にベラパミルを投与するとクロロキン感受性原虫で認められたものと同様の微細構造の変化が出現した。 以上から、クロロキン耐性原虫ではクロロキンの原虫内蓄積が少ないために耐性が現われるが、カルシウム拮抗剤等はクロロキンの原虫内の蓄積を引き起こして耐性を消失させることが示唆された。
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