研究課題/領域番号 |
02807055
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
脇坂 明美 北海道大学, 医学部, 助教授 (90113646)
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研究分担者 |
吉木 敬 北海道大学, 医学部, 教授 (60220612)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 内在性レトロウイルス / 胎盤 / 自己免疫疾患 / 癌化 |
研究概要 |
レトロウイルスはプロウイルスの形で宿主ゲノムに組み込まれる。これが生殖細胞に組み込まれた場合には、内在性レトロウイルスと呼び宿主の遺伝子として親から子へ遺伝されてゆく。本研究ではλ4ー1、ERV3の2種のヒト内在性レトロウイルスについてその存在及び発現様式検索し次のような知見を得たので報告する。 1)ヒトゲノム上に、λ4ー1は多数コピ-、ERV3はハプロイド当たり1コピ-存在する。λ4ー1には、多型が認められ、この多型はメンデルの法則に従って遺伝する。また、ERV3は、人種の分化以前に宿主DNAに組み込まれたものと推定される。 2)λ4ー1とERV3は、胎盤においてmRNAに転写されている。また、両者のenv mRNAの発現量は個体間でほぼ相関しており、共通の転写調節機序が予想された。 3)両者はさらに各種の癌の培養細胞においてもmRNAに転写され、その発現の様式は各細胞株によって多様である。なかでも、胎児性癌(ITOーII)では、ERV3とさらにその下流に位置する細胞遺伝子を含む9.0kbのRNA分子が強く発現しており、癌化との関連で興味が持たれた。 4)抗λ4ー1env抗体で胎盤を染色すると、絨毛のtrophoblastと血管内皮に特異蛍光が観察されることから、λ4ー1遺伝子の一部がタンパク質のレベルまで発現している可能性が示された。 以上本研究から、従来進化の過程でヒトゲノムに入り込んだ、単なる化石の遺伝子と思われていた内在性レトロウイルス遺伝子が、組織によってはその一部は活性化されていることが示された。今後、癌化や自己免疫疾患への関与について検索を行なう必要がある。
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