研究概要 |
1.NODマウスの脾細胞にアイソタイプ混合Aα^dEβ^<nod>分子が発現しているか否かを2次元電気泳動法により解析した。モノクロ-ナル抗体(10.2.16,MKD6,K24ー199,13/4など)を用いてAβ^<nod>,Aα^d,Eβ^<nod>,Eα^dのスポットを同定した。通常の状態の脾臓細胞を用いた実験では、抗Aα^d抗体により、Eβ^<nod>の分子は沈降されず、アイソタイプ混合クラスII分子の存在は証明できなかった。現在、さまざまなサイトカインの刺激によりアイソタイプ混合クラスII分子の発現が誘導できるか否かを解析中である。2.NODマウス由来のベ-タ細胞株特異的T細胞クロ-ン、外来抗原特異的T細胞クロ-ン、アロ抗原反応性T細胞クロ-ンを多数作成し、その拘束特異性を種々のモノクロ-ナル抗体を用いて調べた。ほとんどのクロ-ンは、Aβ^<nod>Aα^d分子に拘束されており、Aα^dEβ^<nod>に拘束されるクロ-ンは検出出来なかった。しかし、いくつかのクロ-ンはNODマウスのIーA^<nod>ホモ接合体に拘束特異性を有しており、(BALB/cxNOD)F1マウスの脾細胞には反応性(拘束性)を示さなかった。このことは、NODマウスのホモ個体に特異的に発現しているクラスIIの特異性が存在することを示唆するものである。この特異性がどのような分子構造を有するものかを解析中である。3.NODマウスの脾臓細胞をBALB/cマウスに免疫して細胞融合し、モノクロ-ナル抗体を作成した。NODマウスのAβ^<nod>に対する抗体以外に、NODマウスの脾細胞、胸腺細胞に100%反応する抗体が得られた。この抗体を用いた免疫沈降を行なうと、240,205,190Kdのバンドが検出され、Ly5分子と非常によく似たものであることが推測され、現在その同定を進めている。また、このmAbが認識する分子の遺伝子が、NODマウスの膵炎発症と連鎖しているか否かを解析中である。
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