研究課題/領域番号 |
02807064
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
高橋 啓子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90197137)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ヒ素 / インジウム / 半導体新素材 / 化学形態 / 慢性毒性 / 臓器蓄積性 / 血中ALAD活性 / 生物学的指標 / 急性毒性 / 代謝 / メチル化 / メチルヒ素化合物 |
研究概要 |
IIIーV族元素化合物であるインジウムヒ素(InAs)は今日、我が国の半導体産業にとってガリウムヒ素とならぶ重要な新素材物質である。平成2年度では主としてインジウムヒ素の急性毒性と代謝について検討を試み、インジウムヒ素は、その一部は体内で無機ヒ素とインジウムに分離されることが明らかになった。そこで、本年度はインジウムヒ素、ヒ素、インジウムの各々の物質について体内動態を検討し、これらの生体影響の解明を行なった。 本年度の研究結果は以下に示すとおりである。 動物を用いた各物質の投与実験から、インジウムはヒ素に比べて特に腎臓および肝臓への蓄積が多いことが示された。これより一部の体内で分離したインジウムはヒ素に比べて臓器蓄積性が高く、慢性毒性を持つことが示唆された。 血液の生化学検査結果からも、インジウム蓄積が認められる動物において、GOT、GPT、γーGTP、LAPおよびLDH活性の上昇が示された。 一方、血中ALAD活性はインジウムヒ素およびヒ素の投与により阻害された。ヘム代謝過程のこの酵素はインジウムヒ素の毒性或いは暴露に関するマ-カ-として有用であることを示唆している。 インジウムヒ素投与後の尿中無機ヒ素、ジメチル化ヒ素排泄量および毛髪中無機ヒ素濃度はインジウムに比べて高く、これらはインジウムヒ素暴露における生物学的指標になり得ると考える。
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