研究概要 |
種々の週齢のウィスタ-系雄性ラット(週齢4〜39週齢)より剔出した肝臓、腎臓、脳から常法に従いDNAを抽出した。抽出したDNAの濃度を33mg/mlに調整し、micrococalnuclease,spleenphosphoーdiesteraseでdeoxyribonucleosideー3'ーmonophosphateに切断した後にヌクレア-ゼP1法により ^<32>Pーポストラベル法を行った。その後正常ヌクレオチドをPEI(ポリエチレンイミン)セルロ-スシ-トと2.3Mリン酸ナトリウム溶液を用いて除去し、求める部分(原点から2.4〜4.8cm)の ^<32>Pの量を液体シンチレ-ションカウンタ-で測定した。全ヌクレオチド数は ^<32>PーポストラベルのあとにPEIセルロ-スシ-トと0.5M塩化リチウム溶液を用いて展開し、原点部分の ^<32>Pの量から算出した。 付加体の形成レベルを以下の計算式 相対的不可体量=各スポットのcpm/全ヌクレオチドのcpm×希釈率 によって求めると、各週齢のラットより剔出した肝臓、腎臓、脳の抽出されたDNAの相対的付加体量と週齢との間にはそれぞれ正の相関関係が見られた。その相関係数rは、肝臓で0.44,腎臓で0.91,脳で0.83であった。 本法は通常の ^<32>Pーポストラベル法と比較すると、付加体の二次元展開を省略した筒便法であり、操作も極めて平易なものである。今回の結果はラットのlife sp,anから考えると週齢が若年に集中するきらいはあるが、相対的付加体量と週齢との間に正の相関関係が各臓器で得られたことにより、本法が年齢推定の一つの試みとして有益であると考える。今後ヒト(5〜10歳間隔)においても本法の応用を検討する予定である。
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