研究課題/領域番号 |
02807077
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
堤 幹宏 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00155425)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Cytochrome P450II E1 / 化学発癌 / アルコ-ル / nitrododimethylamine / ミクロゾ-ム / 肝癌 / 食道癌 / 大腸癌 / Cytochrome P450IIE1 / Nーnitrosodimethylamine |
研究概要 |
1.発癌実験(40週飼育): ラットを液体飼料で10日間飼育後、毎日午前9時に液体飼料からnitrosodimethylamine(NDMA)含有蒸留水あるいは蒸留水に交換し、午後0時まで投与し、ついで午後1時より液体飼料を与えるという方法で40週間飼育した。ラット30匹を、総カロリ-の36%のアルコ-ル(Al)を含む液体飼料で飼育するAl群とAlを炭水化物に換えた飼料で飼育するControl(C)群の2群に大別し、ついで、各群ラットをさらに5匹ずつの3群に分け、30ng/kg B.W.、60μg/kg B.W.のNDMA、あるいは蒸留水を投与した。したがって、検討したのはAlーNDMA(30ng)群、AlーNDMA(60μg)群、Alー単独群、CーNDMA(30ng)群、CーNDMA(60μg)群およびCー単独群の計6群である。飼育40週目では、いずれの群においても肝および他の臓器に明かな腫瘍形成はみられなかった。また、肝の凍結切片を作成し、γーGTP、ATPーase、PASおよびglucoseー6ーphosphataseを染色して、enzyme altered foci(EAF)の発生の有無についても検討を行ったが、いずれの群においてもEAFは認められなかった。 2.発癌実験(80週飼育): ラットを上述の40週飼育と同様の方法で80週間飼育した。肝に肉眼的に明かな結節がみられたのは、AlーNDMA(30ng)群の1例とAlーNDMA(60μg)群の3例で、Alー単独群および各C群では1例もみられなかった。結節は径3ー5mmで、AlーNDMA(30ng)群の1例では単発であったが、AlーNDMA(60ng)群の3例ではそれぞれ2ー3個認められた。結節内の細胞はacidophilic、basophilicおよびvacuole細胞で占められ、正常肝細胞に比して明かに大きく、核の異型も認められ、いわゆるmixedーcell fociと考えられた。また、結節内にspongiosis hepatisの所見も認められた。なお、EAHについては現在検討中である。 以上のごとく、きわめて微量のNDMAによる化学発癌に対して、AlはP450II E1を誘導することにより、促進的に働いていることが示唆された。
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