研究課題/領域番号 |
02807081
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
河野 修興 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (80215194)
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研究分担者 |
秋山 實利 放射線影響研究所, 部長
田口 禎一郎 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (80216829)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 間質性肺炎 / 血清マ-カ- / KLー6抗原 / PIIIP / TypeIV collagen7S |
研究概要 |
(はしがき)間質性肺炎の疾患活動性を適格に把握することは、この疾患の治療上非常に重要である。我々が樹立した血清マ-カ-KLー6抗原は間質性肺炎の活動性をあらわす指標となることは既に報告したが、本研究では間質の線維化の状態を反映すると考えられる血清中のTypeIII procollagen Nーterminal peptide(PIIIP)及びTypeIV collagen7S(7SIV)と比較検討した。 (対象)対象は特発性間質性肺炎15例、放射線肺炎3例、膠原病肺6例、じん肺1例、じん肺とサルコイド-シス合併1例の計26例である。 (方法)血清中KLー6抗原の測定はEIAでおこなった。同一血清中のPIIIPと7SIVの測定はSRLに依頼し、RIAでおこなった。 (結果)血清マ-カ-3種の陽性率は、KLー6抗原92%(24/26)、PIIIP42%(11/26)、7SIV57%(13/23)であった。臨床経過を追跡可能であった症例を改善群、不変群、増悪群の3群に分けて検討したところ、改善群では3種のマ-カ-とも軽快にともなって低下を示した。増悪群では、KLー6抗原は4例中3例で上昇し、1例で低下した。PIIIPは4例中2例で低下し、1例で不変、1例で上昇した。7SIVは3例中3例とも低下した。不変群での変動は一定の傾向を示さなかった。更に、放射線肺炎の1例での検討からKLー6抗原が非常に鋭敏な指標であることを示唆する成績が得られた。 (考察)KLー6抗原は間質性肺炎の疾患活動性をあらわす鋭敏なマ-カ-であることを示唆する結果が得られた。KLー6抗原は肺胞II型上皮及び呼吸性細気管支上皮に強く発現され、実質細胞の障害をあらわすと考えられる。一方、間質の状態を反映すると考えられるPIIIPや7SIVと比較すると、その変動には解離がみとめられる症例が存在した。従って、間質性肺炎の病態把握のためには、これらの同時測定が有用と考えられる。
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