研究課題/領域番号 |
02807088
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野原 隆司 京都大学, 医学部, 助手 (80180769)
|
研究分担者 |
佐治 英郎 京都大学, 薬学部, 助手 (40115853)
玉木 長良 京都大学, 核医学科, 助手 (30171888)
神原 啓文 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50109005)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | Stunned myocardium / ^<123>IーMetaiodobenzylguanidine / Sympathetic nerve / cathecolamine / PET / ^<11>CーAcetate / ^<++>Caー拮抗薬 |
研究概要 |
核医学的方法により、stunned myocardium(気絶心筋)のメカニズム・治療法を検討することを目的としてこの研究を行った。Stunned myocardiumは、開胸犬による冠動脈の前下行枝ないし左回旋枝の30分間虚血により作成し、壁運動の低下をエコ-で確認し、虚血域、梗塞の有無を特殊染色により行った。我々は、この実験により次の新知見を得た。すなわち、1.カテコラミンの関与を確認するためmetaiodobenzylguanidine( ^<123>IーMIBG)を使用した。これは交感神経末端のpresynaptic vesicleに取り込まれ、そのactivityを評価するのに利用される。この実験によりstunningに陥った心筋のMIBGのuptakeは低下しておらず正常な取り込みをしていること、更にexogenousなnoradrenalinに反応して壁運動は改善し、その時のMIBGのuptakeは増加することを確認した。すなわちstunned myocardiumでは、交感神経の関与は否定的であり正常に機能していることが結論づけられた。2.更にカテコラミンが心筋に働く際のexcitationーcontractionーcouplingに必要とされるCa^<++>の動態をみるため、Ca^<++>と平行に動くとされる ^<99m>Tcを用い、 ^<99m>TcーPYPが梗塞を有しないstunned myocardiumでとり込みの上昇することを確認した。更にその取り込みがCa^<++>拮抗剤(Diltiazem)により抑制され、同時にstunningを阻止し得たことより、Ca^<++>の動態がstunningに重要であることも確認した。3.更に我々はPET(positron emission computed tomography)により心筋代謝、特にTCA cycleを ^<11>Cーacetateにより確認することを目的として、正常者5名の臨床実験を行い、 ^<11>Cーacetateが酸素代謝を確認するのに良いことを知った。虚血性心疾患患者1名にdipiridamole使用により、血流の予備能を、更にdobutamin負荷により酸素代謝予備能の確認が可能であるとの示唆を得、これを動物実験等に組み込みstunned myocardiumのメカニズムの解明の更に高度な実験をする段階にまで到っている。
|