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慢性活動性EBウイルス感染症の病因、病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 02807093
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 小児科学
研究機関大阪大学

研究代表者

河 敬世  大阪大学, 医学部, 助教授 (70107035)

研究分担者 八木 敬子  大阪大学, 医学部, 助手 (90221639)
多和 昭雄  大阪大学, 医学部, 助手 (00155277)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード慢性活動性EBウイルス感染症 / hypersplnism / LDGL / splenectomy / ILー2 / EBウイルスゲノム
研究概要

慢性活動性EBウイルス感染症は、EBウイルスに対する特異的免疫不全症と考えられているが、本邦における実態は明らかではなく、その病因、病態に不明な点が多い。まず本症の実態を把握する目的でアンケ-ト調査を行い、回答の得られた37例につき検討した。その結果18例が数年以内に死亡するという、極めて予後不良の疾患であることが判明した。代表的死因としては肝、心不全(10例),悪性リンパ腫(2例),日和見感染症(2例),その他(4例)であった。一方欧米で報告されているXーlinked lymphoproliferative syndrome(XLP)とは異なり、本邦例では明らかな遺伝的背景はなく、またATLのような地域集積性はみられなかった。興味深いことは、5例に顆粒リンパ球増多症(LDGL)がみられ、検策したり症例は全てEBウイルスゲノムを有するNK細胞増多症であった。本症に対しては確立された治療法がなく、ILー2,IFN,ステロイド剤、jーgl製剤,acycloviaなどが用いられてきた。我々はILー2を中心とした治療で部分寛解にはなったが、hyersplenismが持続する2症例でsplenectomyを施行し、肝機能をはじめとして全身状態の著しい改善をみた。摘出されたspleenのcell suspensionを調べると、その70〜80%がNK細胞であり、しかもこれらにEBウイルスゲノムが認められた。本症の特徴的所見のひとつであるsplenomegalyが、spleenでのNK細胞の増殖に起因するのか否かに関しては、今後の多数例での検討結果を待たねばならないが、本疾患でのNK細胞増殖の場がspleenであり、それが無秩序に行われている可能性を示唆するものであろう。このようなsplenectomyをはじめとした包括的な治療大系の確立と病因,病態のさらなる解明が今後の課題である。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 藤田 篤史,他: "EBウイルス感染症の経過中に顆粒リンパ球増多症を呈した1例" 日本小児科学会誌. 94. 1877-1882 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 伊藤 邦彦,他: "多クロ-ン性EBウイルスDNAの存在を認めたNK細胞由来LGL白血病の1例" 臨床血液. 31. 1721-1725 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 石原 重彦,他: "本邦における慢性活動性EBウイルス感染症の特徴" 日本小児科学会誌. 95. 80-90 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 河 敬世: "ウイルスーヒト白血病化への関与が明らかとなったウイルスは?" Modern Physician. 10. 767-771 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Hana J.,et al: "Molecular analysis of T cell receptor and CD3 gince in CD3^- large granuler lymphocytes." heukemia. 4. 580-583 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] Imamura N.,et al: "Aggressive natural killer cell leukaemial lymphoma:report of four cases and review of the literature" British Journal of Haematology. 75. 49-59 (1990)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 河 敬世: "新小児科学大栄" 中山書店, (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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