研究課題/領域番号 |
02807094
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
太田 孝男 (太田 孝雄) 熊本大学, 医学部, 講師 (70185271)
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研究分担者 |
堀内 正公 熊本大学, 医学部, 講師 (10117377)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | リポ蛋白 / アポ蛋白Aー1含有リポ蛋白 / アポ蛋白AーI含有リポ蛋白 / high densitiy lipoprotins / immunoaffinity chromatography / LpA-I / A-II / LCAT / atheroscierosis / reverse cholesterol transport / macrophage foam cells |
研究概要 |
より自然の状態に近いHDLである、アポAl含有リポ蛋白(AlLp)のマクロファ-ジ泡沫細胞(動脈硬化発症モデル)に対する影響を検討した。アポAl含有リポ蛋白は更に抗体カラムを用いてアポAlのみから成るLpAlとAl及びアポA2から成るLpAl/A2とに細分画した。超遠心分離したHDLを用いた研究ではHDL_3のみが泡沫細胞からのコレステロ-ル引き抜き作用を示し、HDL_2にはその作用が見られないとされている。また、培養液中に放出されたコレステロ-ル(C)はすべて遊離コレステロ-ル(FC)と報告されていた。私達は本研究でLpAl及びLpAl/A2共に泡沫細胞からCを減少させ得る事を明らかにしち。また培養液中のコレステロ-ルの検討ではLpAl在存下では39%,LpAl/A2存在下では10%がエステル型(CE)であった。超遠心分離HDLではこれまでの報告と同様、CEは存在しなかった。さらにLCAT活性を抑制すると、LpAlのC引き抜き作用は消失したが、LpAl/A2の作用は影響を受けなかった。また、HDL_2及びHDL_3よりLpAl及びLpAl/A2を分離したところ、HDL_2粒子の70%がLpAlであり、逆にHDL_3粒子70%がLpAl/A2である事が判明した。この事実は超遠心分離中にHDLからFCをエステル化するLCATが失われる事を示しており、HDL_2にC引き抜き作用がないのは、LpAlから遠心操作中にLCATが失われた為と考えられた。このように従来の方法で分離されたHDLは生体内でのHDLと構造及び機能の両面で異なっており、今後HDLの機能の研究には超遠心法に代え、抗体カラムを用いてHDLを自然の状態で分離すべきであろう。これまでHDLの機能に関する報告は、HDL_3のみに注目している為、本来のHDLの持つ機能を過少評価していると思われた。以上の事を平成3年度の研究で明らかにした。
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