研究課題/領域番号 |
02807146
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
高崎 眞弓 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (30094212)
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研究分担者 |
莫根 正 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90202564)
吉山 賢一 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (90230820)
義川 剛太郎 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20220600)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 硬膜外麻酔 / 出血性ショック / カテコールアミン / 内分泌動態 |
研究概要 |
手術中に大量出血が起きたとき、全身麻酔と硬膜外麻酔のどちらが生体をより生理的な状態に保つことができるか、比較検討することを目的とした。胸部硬膜外麻酔は、出血性ショックに陥った動物の生存率を高めるという報告があるが、これが事実ならば、出血の予想される手術にきわめて有用な麻酔法となるからである。 本研究では、イヌを用いて出血性ショック発生後の生存率、呼吸、循環、代謝、内分泌機能の変動を、ハロセンを用いた浅い(0.2MAC)全身麻酔、中等度(1MAC)全身麻酔、上胸部(C_4-T_5)硬膜外麻酔ならびに胸腰部(C_5-L_7)硬膜外麻酔で比較検討した。その結果、浅い全身麻酔では、出血性ショックが発生したときの生存率が低く、代謝内分泌機能も悪化した。硬膜外麻酔でも、麻痺の範囲が広範囲に及んだ胸腰部硬膜外麻酔では、低血圧が持続し、代謝内分泌機能が悪化した。結局、上胸部硬膜外麻酔と1MACのハロセンを用いた中等度の全身麻酔で、出血性ショック中の呼吸循環、代謝内分泌機能を比較的良好に保つことができた。出血性ショックという強烈な侵襲が加わり、エピネフリンやノルエピネフリンなどの血中カテコラミン濃度が、きわめて高く維持されたとき、またはほとんど分泌されなかったとき、循環と代謝機能が悪化した。カテコラミンが中等度に分泌される麻酔状態、すなわち交感神経系の中等度活動状態を作り出すことが、循環、代謝内分泌機能を改善するもっともよい方法と考えられた。出血性ショックに対する保護作用は、上胸部硬膜外麻酔に特有なものではなく、全身麻酔でも同様の状態を作り出すことができると考えられた。広範囲の硬膜外麻酔または浅い全身麻酔が出血性ショックを悪化させることも明らかになった。
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