研究課題/領域番号 |
02807153
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
寒河江 悟 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00187056)
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研究分担者 |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50158937)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 婦人科癌 / 子宮頸癌 / 卵巣癌 / ras癌遺伝子 / p53遺伝子 / Rb遺伝子 / heat shock protein / 免疫沈降 / ras oncogene / myc oncogene / Rbー1遺伝子 / heat Shock protein / in situ hybridization / 免疫組織化学 / 子宮頚癌 / p53 遺伝子 |
研究概要 |
まずras癌遺伝子の研究では、免疫組織化学的ならびにin situ hybridization法により、子宮頚癌・卵巣癌について腫瘍の悪性化に伴ってその発現率の上昇を確認するとともに、K-ras癌遺伝子codon12での点突然変異をPCR・RFLP法でも検討し、遺伝子レベルでも変異を検出した。 p53遺伝子については、そのDNAプローブや各種モノクローナル抗体を入手し、免疫組織化学的検討、western blotting法、in situ hybridization法などで、組織切片上での蛋白・mRNAの発現を確認することを目標としていたが、p53遺伝子の変異をPCR-SSCP法にても現在検討しており、このdataが出てはじめて蛋白レベルと遺伝子レベルの関連に言及できると考えている。 また、ヒト卵巣癌細胞株やヒト子宮頚癌細胞株を用いて、変異型p53とhsp70のmRNAと蛋白の発現、また両蛋白の細胞内での結合性を調べ、それぞれの癌の癌化過程でのp53とhsp70の関与を検討した。方法は、蛋白の発現に関してはFITC法、Westernblot法で、mRNAの発現の検討はdot blot法を行ない、蛋白の結合性に関しては、免疫沈降法を行った。用いた一次抗体は、抗p53抗体(PAb1801、PAb421、pBHP53-12、PAb1620)・抗hsp70抗体(RPN1197、3a3)を用い、またprobeはhuman p53 gene(1.5Kb)などを用いた。その結果、変異p53蛋白はhsp70 subfamilyのうちhsc73と選択的に会合するが、hsp72とは会合しないことが判明した。さらに同じ癌抑制遺伝子産物であるRb蛋白についても、同様の検討を行った。その結果、Rb蛋白(110KD)を認識する抗体で免疫沈降すると、hsc73を認識する抗体では検出できたが、hsp72を認識する抗体では検出できなかった。逆に、hsc73抗体で免疫沈降してもRb抗体にて検出できた。そしてこの分子会合物はATPにてdose-dependentに解離した。以上より、婦人科癌細胞株においてRb蛋白はhsp70subfamilyのうちhsc73と選択的に会合することをはじめて報告し、さらにこの分子会合はATP依存性に解離することも発見した。
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