研究課題/領域番号 |
02807157
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 俊光 東北大学, 医学部, 助教授 (80133958)
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研究分担者 |
菊地 俊彦 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (70177799)
橋本 省 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20156285)
佐々木 豊 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (30221279)
川瀬 哲明 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (50169728)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 内耳 / 聴力保存 / 電気生理学的研究 |
研究概要 |
当該年度の成果は11項にあげた投稿中の論文にまとめられている。 これを要約する形で本年度のまとめとする。 実験は白色モルモットを用い、気管切開ののち半規管及び蝸牛を露出した。蝸牛基底回転に刺入したガラス管微少電極より、内リンパ直流電位(EP)と蝸牛神経複合電位(CAP)を記録しながら、外側・前・後の各半規管を削開破壊していった。結果は、外側半規管の破壊を行っても、2時間までの観察ではEP・CAPに変化を認めなかった。他の半規管の破壊実験はいまだpreliminaryの段階であるが、同様に蝸牛機能への影響は少ないようである。 内耳の破壊をさらに進めて行くと、前庭が解放されたときに蝸牛電位の急激な低下が見られた。したがって、半規管までの破壊では蝸牛機能が温存されることが多いが、半規管膨大部や前庭に破壊が及ぶと蝸牛機能は保持し難いことが判明した。 このモルモットにおける結果がそのままヒトにも当てはまるかは検討を要する点である。そこでヒトの経迷路聴神経腫瘍の摘出術中に、外側半規管が削開される前後の蝸牛機能の変化を、蝸牛神経複合電位(CAP)を指標として検討してみた。その結果、ヒトにおいても同電位の低下は1時間の観察中にはみとめられず、モルモットと同様の結果がえられた。 以上の結果にもとづき、臨床においても真珠腫の内耳進展時にしばしば見られる外側半規管瘻孔は十分な注意のもと、積極的にこれを清掃することとした。現在その臨床例も集積中である。
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