研究課題/領域番号 |
02807213
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中江 俊夫 東北大学, 医学部, 助手 (20155659)
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研究分担者 |
徳冨 直史 東北大学, 医学部, 助手 (30227582)
赤池 紀生 東北大学, 医学部, 教授 (30040182)
小山 保夫 東北大学, 医学部, 助手 (80214229)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 新キノロン剤 / 非ステロイド系抗炎症剤 / 痙攣誘発作用 / 4ービフェニル酢酸(BPA) |
研究概要 |
キノロン剤の痙攣誘発作用とGABA_A受容器阻害作用との間に相関がないという行動薬理学実験の報告に対し、実験的反証を行った。行動薬理学的に研究したグル-プによるとキノロン剤の惹起する痙攣がGABAの抑制作用を増強するバルビツ-ル酸誘導体やベンゾジアゼピン類により減弱せず、グルタミン酸受容器拮抗薬により減弱するという事実に基づいてキノロン惹起痙攣へのGABA_A受容器遮断作用の関与を否定している。しかし、我々の実験結果によれば、これらGABAの抑制作用を増強する薬物がキノロン痙攣を抑制できない理由として、細胞内ATPによるGABA_A受容器応答の制御機構が考えられる。つまり、いったん強い痙攣が誘発されて細胞内ATP量が減少すると、細胞内ATP量に依存するGABA_Aやバルビツ-ル酸受容器のアゴニストに対する親和性が低下し、期待通りに中枢抑制作用が発揮できないためである。加えて本年度は、フェンブフェンの存在下でGABAの抑制作用を最も強く阻害したノルフロキサシンをキノロン剤の代表として選び、各種の非ステロイド性抗炎症剤との併用によるGABA応答抑制効果について検討した。その結果、メフェナム酸のみが単独投与でGABA応答に抑制作用を与え、キノロン剤との併用による抑制作用の増強はなかった。インドメタシン・ナプロキセンはフェンブフェンと同様の抑制作用が見られたが、フェンブフェンと同じフェニル酢酸系のジクロフェナックは弱い抑制作用しか示さず、特定の系列の抗炎症剤がキノロン剤との併用によるGABA応答抑制効果の増強作用をもつ可能性は一応否定された。しかし、塩基性の抗炎症剤はすべて抑制作用を持たなかったことから、フェニル酢酸系・インド-ル酢酸系・プロピオン酸系統の薬剤はキノロン剤によるGABA応答抑制効果を持つことが予想され、キノロン剤との併用は避けるべきであると結論された。
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