研究課題/領域番号 |
02807214
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
内藤 幸雄 名古屋市立大学, 薬学部, 講師 (10076052)
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研究分担者 |
水谷 隆治 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (30080188)
鈴木 郁功 鈴鹿工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (90080209)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ラットシスタチンS / シスタチンス-パ-ファミリ- / 顎下腺 / システインプロテア-ゼ / パパイン / フィシン / トリプシン / タンパク誘導 / タンパク分解酵素阻害物質 / 細胞増殖 / 顎下腺唾液タンパク |
研究概要 |
我々が発見したラットシスタチンS(RCS)は、ファミリ-2シスタチンに属するシステイン阻害物質である。(1)RSCはシステインプロテア-ゼであるパパイン(阻害定数:0.1nM)とフィシン(阻害定数:0.2nM)を競合的に強く阻害し、ブロメラインとカテプシンCを部分的に阻害した。セリンプロテア-ゼであるサリプシンとカリクレインは阻害しなかった。(2)RSCの分子内の2個のジスルフィド結合は、活性に必須であった。一分子のRSCは、一分子のプロテア-ゼと結合してプロテア-ゼ活性を阻害することが明らかとなった。(3)RSCのpH安定性(pH1〜12の溶液で1時間処理)と熱安定性(100℃、1時間処理)は、非常に高いことが明らかとなった。(4)感染にシステインプロテア-ゼが関与する細菌等(口腔内常在細菌等総計18種)に対する抗菌活性を調べた結果、歯周病の病原菌であるBacteroides gingivalisの発育を殺菌的に抑制することを発見した(ディスク拡散法:最小有効量;75μg/ディスク)。(5)ラットに交感神経βー受容体作動薬であるイソプロテレノ-ルを投与すると、顎下腺の肥大・増殖に伴って大量のRSCが誘導されるが、何故このような生体応答が生じるのかは不明であった。植物由来のシステインプロテア-ゼであるパパイン(パパイア)をラットの口腔内に投与すると、投与量と投与日数に依存的に、顎下腺の肥大・増殖を伴う大量のRSCが誘導されることを発見した。この生体応答に対するプロテア-ゼの特異性を検討した結果、イチジクに存在するフィシン(システインプロテア-ゼ)と膵臓で産生されるトリプシン(セリンプロテア-ゼ)にも同様な作用が認められた。ラット顎下腺の肥大・増殖に伴って大量のRSCが誘導される現象は、植物および動物に含有されるプロテア-ゼの侵襲に対する一つの生体防御機構であることを解明した。
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