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Fーアクチンの浸透圧に対する弾性応答を基礎にした、細胞の体積調節機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02808053
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 生体物性学
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 忠直  京都大学, 理学部, 助教授 (90093187)

研究期間 (年度) 1990 – 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードアクチンフィラメント / 細胞骨格 / 細胞の体積調節 / ABP / ゲルゾリン / 水の流れ / オスモティック・ストレス / オスモエラスティック・カップリング / 細胞運動 / Fーアクチン / 溶積流
研究概要

本研究では、細胞質にみられるFーアクチンのゲル状構造に着目し、その構造をin vitroで再構成し、そのオスモティックな性質を明らかにすることにより、細胞が示す体積調節機構を明らかにする上で以下の成果を得た。
1.半透膜を隔てて外液と接し、上端にキャピラリ-をもつオスモメ-タ-を「モデル細胞」として用いるシステムを開発した。このシステムでは、キャピラリ-内の気液界面の高さの変化を測定し、その体積変化を定量的に求めることができ、体積調節機構に関与する因子を同定することが可能となった。
2.「モデル細胞」内のFーアクチンが、外部と内部の浸透圧の不均衡(オスモティック・ストレス)から生じる水の流れ(容積流)を部分的に抑制し、更にFーアクチン濃度が3mg/ml以上になると、20cm・H20以下のオスモティック・ストレスのもとでは、全く観測されなくなった。この濃度は、個々のFーアクチンが自由に動けなくなり、一種のゲル状態を形成する濃度とほぼ、一致する。しかし、オスモティック・ストレスが20cm・H_2O以上になると、急激な容積流が一時的に観測された後、定常的な容積流が観測された。これは、ゲル状態の崩壊に伴うものと考えられる。
3.細胞質にみられるFーアクチンの等方ゲル構造を、Fーアクチンをactinーbinding protein(ABP)で架橋することにより再構成した。このようなアクチンゲルでは、65cm・H_2Oのオスモティック・ストレスを加えても容積流は全く観測されず、「モデル細胞」はその体積を一定に保ったままであった。
4.上記アクチンゲルを、μMのカルシウムの存在下でゲルゾリンによってアクチンフィラメントを切断し、ゾル化するとオスモティック・ストレスに伴う水の流れが再び生じるようになった。

報告書

(3件)
  • 1991 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Tadanao Ito: "Regulation of water flow by actin-binding protein-induced actin gelation" Biophys.J.1992.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊藤 忠直: "オスモエラステック・カップリングー浸透圧の不均衡のもとで働く新しい熱力学力ー" 生物物理. 31. 18-23 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tadanao Ito: "Regulation of water flow by actin-binding protein-induced actin gelation" Biophys. J.(1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tadanao Ito: "Osmoelastic coupling" Seibutubuturi. 31. 18-23 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊藤 忠直: "Regulation of wate flow by actinーbinding protein induced actin gelation" Biophys.J.(1992)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] A.Suzuki: "Formation of liquid crystalline phase of actin filament solutions and its dependence on filament lengthas studied by optical birefringence" Biophys.J.59. 25-30 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 伊藤 忠直: "オスモエラスティック・カップリング ー浸透圧の不均衡のもとで働く新しい熱力学力ー" 生物物理. 31. 18-23 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] T.Ito: "Regulation of osmoticallyーdriven water flow of Fーactin solutions by ABP" Biochemistry.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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