研究課題/領域番号 |
02F00007
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宇野 忍 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授
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研究分担者 |
胡 玉華 東北大学, 大学院・教育学研究科, 外国人特別研究員
HU Yuhua 東北大学, 大学院・教育学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 学習方法 / ピンイン学習 / 足し算式発音 / 文法学習 / 仮想的教示 / 朗読 / 漢字依拠型朗読法 / 音声依拠型朗読法 / 中国語学習 / 「声調」学習 / VT法 / 「前置詞」学習 / コミュニケーション能力 / 言語状況づきの学習 / 学習動機 |
研究概要 |
今年度は、「日本人学習者を対象とする中国語教授法の開発」について、いずれも大学生を対象として、以下の4つの調査と実験を行った。 (1)大学の中国語履修者の学習方法についての実態調査 初級クラスの大学生81名を対象に、調査を行い、以下の点を明らかにした。(a)中国語学習においては、学習方法を獲得している可能性のある学習者は、約2割と少なく、ほとんどの学習者がどのように学習を進めればいいのかを知らないまま学習している。(b)単語・文法・本文を学習する際、約6割の学習者は「書き写す」ことを主な学習方法として採用しているが、言語学習に極めて重要だとされている「朗読する」や「聴く」などの方法を採っている学習者は約5割以下である。(C)学習方法と学習効果の関係を統計的に分析した結果、履行者の一番多い「目を通しながら、書き写す」という方法は決して効果的な方法とは言えないことが確認できた。 (2)中国語のピンイン学習における「足し算式発音」指導法の効果に関する実験研究 この研究では、日本人学習者の学習難点である「ピンイン」を取り上げて、中国語を母語とする子どもに対するピンイン学習における「足し算式発音」指導法を用い、初級クラスの大学生33名を対象に、実験を行った。その結果、「足し算式発音」指導法は日本人学習者の音節のピンイン学習に効果的であることが確認できた。 (3)中国語の文法学習における「まとめる」及び「まとめ方」の指導に関する実験研究 この研究では、1つの文法学習の方法として「まとめる」ことを取り上げて、「まとめる」方法の効果及びまとめ方の指導法について、大学生63人を対象に実験を行った。その結果、以下の点が明らかになった。(a)文法学習においては、文法事項の解説と例文を重視して「まとめる」ことが重要である。(b)「まとめる」ことは文法事項への正確な理解が求められるため、まとめ方の指導が必要となる。(c)本研究では、まとめ方の指導法として、「自分の理解を整理する」方法及び「仮想的教示-未習者に説明する」方法を提案した。 (4)中国語学習における「朗読」及び「朗読指導法」に関する実験研究 この研究では、1つの学習方法としての「朗読」を取り上げも朗読の効果及び朗読指導法について、初級クラスの大学生65人を対象に、実験を行った。その結果、以下の点が明らかになった。(a)「朗読」は中国語能力を増進するには好ましい効果をもたらすことは明らかであるが、「朗読」のその役割をアップさせるには、学習内容を単なるひたすらに読むよりは、本研究で提案した「音声依拠型朗読法」が有効である。(b)「朗読」は、言語能力のすべての側面の増進に効果的なわけではない。中国語能力をより効果的に増進するためには、「朗読」だけの学習活動では不十分で、ほかの学習活動を取り込む必要もある。
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