研究課題/領域番号 |
02F00014
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
社会法学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
香川 孝三 神戸大学, 国際協力研究科, 教授
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研究分担者 |
KHAN Rebeka Sultana 神戸大学, 国際協力研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | バングラデシュ / 女性のエンパワーメント / 農村開発 / グラミン銀行 / マイクロ・クレジット |
研究概要 |
本研究では、バングラデシュの農村部において女性がその家計や家庭内での意思決定に果たす役割を大きくするための政府やNGOの役割を考察することを目的としている。政府やNGOの中でマイクロクレジットを進めているグラミン銀行に焦点を絞って調査をおこなった。幸い科学研究費補助金(特別研究員奨励費)を受けることができ、2回バングラデシュに赴いて聞き取り調査を実施した。 マイクロクレジットを受けている女性と受けていない女性を比較して、家計や家庭内での意思決定に違いが生じているかどうかの聞き取り調査を実施した。アンケート調査は識字率の低いバングラデシュの農村部では適切でないために、聞き取り調査に頼らざるをえない。そのためにサンプル数は200人ほどに限定せざるをえなかった。その結果、マイクロクレジットを受けている女性の方が家計や家庭内での意思決定に参加する割合が高いことがわかった。 バングラデシュが男性社会であり、男性が家庭内での意思決定の権限を持っているが、グラミン銀行からマイクロクレジットを受けている女性は経済力をもつことによって、意思決定に参加する割合が、マイクロクレジットを受けていない女性と較べると高いことが明らかとなった。男性と対等とはなっていないが、少なくともマイクロクレジットによって得た利益分については女性の単独の判断で使うことができるようになっている。その利益分については夫側が勝手に使うことはできないということである。その点でグラミン銀行の機能は有効である。 しかし、さらに進んで男性が積極的に女性に冨を分配したり、政治的に対等な立場を得るところまでにはいたっていない。今後、その方向への模索が必要である。 以上のことを実証するために、家計や家庭内の意思決定の内容を細かく分析して、そこに含めるべき項目を定義した上で議論をおこなうよう工夫をした。ここに工夫があり、今後もう少しサンプル数が増えれば統計的処理が可能となるであろう。
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