研究課題/領域番号 |
02F00030
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
社会システム工学
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
神原 武志 電気通信大学, 電気通信学部, 教授
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研究分担者 |
ZHENG Meihong 電気通信大学, 電気通信学部, 外国人特別研究員
ZHNG Meihong 電気通信大学, 電気通信学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 災害 / 人間の集団行動 / コンピューターシミュレーション / 仮想空間 / 触覚シミュレーター / 立体視システム / 人間集団行動 / 心理学実験 / シミュレーション |
研究概要 |
災害が起きた場合、災害現場にいる人間が如何に速やかに避難できるか、人的被害を如何に最小限にとどめることができるかは、以前から災害学の大きな課題となっている。特に人間の密集している場所で突然に予期せぬ状態に陥った時、この問題が最も重要となり、最も難しくなってくると考えられる。本研究は人間の密集している状況を考え、災害時における人間の集団行動、人間の集団行動と物理的環境との相互作用を解明することを目的とする。災害時における人間の集団行動を決める要因を解明することにより、災害時の人間集団の避難行動に指針を得る。さらに、人間の集団行動と物理的環境との相互作用を解明することで、災害時の人間集団の避難行動に理想的な建物(部屋の形状、ドアーの設置場所や、大きさなど)を考える。 本研究は2年間にわたって、上述の目的に沿って、災害時における人間の集団行動の総合的システムを構築した。このシステムはコンピューターシミュレーション部分と仮想空間上の心理学実験部分から構成されている。力学モデルによるコンピューターシミュレーションが、従来使われている災害時の人間行動を表す手段であるが、そこでは人間が粒子として扱われている。力学モデルに使われる人間モデルに災害時の人間の心理的要因を取り入れるために、臨場感の高い災害仮想空間を構築し、心理学実験を用いて、人間の災害時の心理的要因を調べた。 心理学実験用の仮想空間は、触覚シミュレーター、立体視システムを用いて構築した。被験者は触覚シミュレーターを操縦し、災害状況や仮想空間上にいる他の人間との相互作用を考慮して、行動できるようになっている。触覚、視覚の刺激により、災害現場の臨場感が高められ、災害時の人間の心理的要因を解明する有効的手段を開発したことは国際会議で高く評価された。心理学実験によって分かった災害時の行動に強く影響する人間の心理を力学モデルに取り込み、コンピューターシミュレーションにより人間の災害時の集団行動を解明する。本研究の力学モデルは、Helbingの力学モデルに、人間同士の相互作用に心理学的な回避要望に応じて生じる実際の側方回避効果を追加して、作られた。Helbingの力学モデルは圧迫力や摩擦力を考慮することで、人間の密集状況を力学モデルでよく再現できたが、避難する際によく観察された追い越し行動が考慮されていない。現在、これらの成果をまとめ、雑誌投稿に取り組んでいる。
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