研究課題/領域番号 |
02F00163
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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研究分担者 |
CIMPOESU Fanica 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 分子振動 / 振電効果 / Jahn-Teller効果と擬Jahn-Teller効果 / 有効ハミルトニアン / 無機立体化学 / π歪み / スピン結合 / Valence Bond |
研究概要 |
平成15年度Dr.Fanica Cimpoesuは昨年から引き続き、振電相互作用や磁場下における分子の振る舞いについて理論的研究を行った。これらはAdv.Chem.Phys.に2編の論文として発表した。また、copper-gadolinium錯体の中の有名な強磁性カップリングの機構を理論的に解明した。copper-gadolinium錯体は一般的な強磁性のカップリング問題のプロトタイプとして広く知られており、Kahn, Gatteschiらの定性的な多くのモデルが提唱されている。しかしその機構はいまだ論議の的である。 またこれまで定量的理論計算はなされていない。同博士は精密な理論計算を実行した。磁気カップリング定数の理論計算値はJcalc=+7.67cm^-1であり、実験値Jexp=+7.0cm^-1をよく再現している。Cu(II)の3d軌道からGd(III)の5d軌道への電子励起に特徴付けられるKahnメカニズムとともに、Gd(III)の4fと5d殻を含むf7'f6d励起のような配置間相互作用が重要であることを明らかにした。さらに配位子によるスピン分極効果の重要性も指摘している。 さらに分子が擬C2v構造をとることが重要で、この構造でCu(II)-Gd(III)強磁性が起こると結論した。この研究はcopper-gadolinium錯体中の強磁性カップリングの機構を解明したものとして高い評価を得ている。この研究はJ.Amer.Chem.Soc.に投稿し、掲載が受理されている。このように研究は順調に進行している。
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