研究課題/領域番号 |
02F00212
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
河合 成直 岩手大学, 農学部, 教授
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研究分担者 |
ALAM Shah 岩手大学, 農学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 鉄欠乏 / マンガン過剰 / 放射性元素 / ムギネ酸 / ニッケル過剰 / イネ / オオムギ / 日変動 / ムギネ酸分泌 / 高カリウム処理 / 軽減効果 / 日周変動 / 葉緑素計 |
研究概要 |
これまでの実験結果から水耕栽培したオオムギのMn過剰誘導鉄欠乏症状において、培地のK濃度を上昇させることにより、その症状が大きく軽減される現象が明らかとなっていた。その現象はイネ、ソルガムにおいても見られ、Mn過剰の土壌においてKの多量施肥が有効であると示唆されていた。 上記のKによるMn過剰の軽減現象の機構を解明するため、放射性のFeとMnのオオムギに対する投与実験を行い、培地のK濃度の上昇が、MnとFe何れの吸収に直接影響するかを検討した。4時間の投与実験の結果、K濃度の上昇は鉄の吸収に影響を与えないが、Mnの吸収を抑制することがわかった。FeとMnは根による吸収において競合するといわれており、共通のトランスポーターがあると議論されているが、この結果は、KはFeのそれとは別個のMnのトランスポーターのみに直接作用することを示唆した。 次に、近年、必須元素であることが知られたNiの過剰について検討した。その結果、水耕培地のNi濃度が1、10μMの時、0μMの時より植物体の重量が増加した。また、100μMの時、植物体重量と葉緑素含量も低下し、いわゆる重金属誘導鉄欠乏が見られた。さらに、培地のNi濃度が増加するに従い、地上部の4つの微量必須元素の含量は減少した。また、Ni過剰においてはムギネ酸分泌の誘導は見られなかった。 また、上記の実験と平衡して、水耕オオムギを用いて鉄欠乏時のムギネ酸Feの吸収能の日変動を測定した。ムギネ酸の分泌には明確な日変動があり、温度上昇直後の4-5時間に分泌が見られる。しかし、植物根の分泌されたムギネ酸がキレート化したFeを吸収する能力に日変動があるかについてはあまり明確ではなかった。本実験で、その吸収能力は明期と暗期で大小があるものの、その明、暗の各期間の間では一定であり、温度以外による概日性リズムなどの制御を請けていないことが示された。
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