研究課題/領域番号 |
02F00239
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
矢野 明彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授
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研究分担者 |
文 恵聖 千葉大学, 大学院・医学研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | トキソプラズマ / トキソプラズマソトレスタンパク70(T.g.HSP70) / 抑制性B-2細胞 / IFN-γ / Toll-like Receptor(TLR) / MyD88 / IRAK4 / NO産生 / B-2抑制細胞 / T.g.HSP70 / NO / TLR2 / Toxoplasma gondii / CD8T細胞 / 放射線感受性 |
研究概要 |
トキソプラズマは宿主の生体防御反応に対し抑制作用を示すことが明らかになった。トキソプラズマ感染に対する防御反応にTLR2およびMyD88分子が重要な機能を発現することを明らかにした。TLR2破壊(KO)マウス及びMyD88KOマウスにトキソプラズマを感染させると100%の致死率を示す。このことから、トキソプラズマの感染時に必須のエフェクターとして機能する生体防御のシグナル伝達系の活性化誘導にTLR2及びMyD88が役割を演じていることが示された。事実、TLR2KOマウス及びMyD88-KOマウスでは、トキソプラズマ感染によるNO産生が抑制されることが示された。さらに、トキソプラズマ原虫由来熱ショック蛋白70(T.g.HSP70)によるNO産生のシグナル伝達系の活性化誘導にTLR2、MyD88、IRAK-4が役割を演じ、TLR4は関与しないことがわかった。しかし、もう一つのトキソプラズマ原虫由来熱ショック蛋白であるT.g.HSP30およびトキシプラズマ表面抗原であるSAG1に関してはTLR2、TLR4、MyD88、IRAK-4が関与しないことがわかった。 さらにこのトキノプラズマの宿主防御反応エスケープ機序にもT.g.HSP70が機能していることが示された。新規にクローニングに成功したT.g.HSP70はトキソプラズマ感染したマクロファージのNO産生の抑卸やHSP70自己抗体の産生、IL-4産生・分泌などを誘導し、宿主生体防御機能に対して様々な抑制機能あるいは修飾機能を発現することを明らかにした。さらには、トキソプラズマ感染によりT.g.HSP70特異的B-2抑制性細胞が誘導されることを明らかにした。トキソプラズマ感染により誘導されるT.g.HSP70特異的抑制性B細胞はトキソプラズマ感染に対し必須不可欠のエフェクター細胞であるIFN-γ産生細胞の機能をIL-4産生誘導などにより抑制することを明らかにした。一方、B-2細胞やB-1紬胞などトキソプラズマ感染における宿主生体防御反応にB細胞がエフェクターとして重要な機能を発現することが明らかになってきた。
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