研究課題/領域番号 |
02F00243
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高津 聖志 東京大学, 医科学研究所, 教授
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研究分担者 |
MOON BYOUNG GON 東京大学, 医科学研究所, 外国人特別研究員
MOON BYUNG GON 東京大学, 医科学研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | IL-5 / IL-5R / B-1細胞 / 粘膜免疫 / 活性化 / CD40 / LPS / IL-5Rα / 恒常性維持 / 細胞移入 |
研究概要 |
【目的】B1細胞は、通常のB細胞(B2細胞)とは異なる形質、組織分布を持つB細胞亜集団であり、粘膜組織にて自然抗体を産生し自然免疫による感染防御機構の一翼を担う。B1細胞は恒常的にIL-5レセプター(IL-5R)を発現しており、またIL-5R欠損マウスでB1細胞が減少することなどから、IL-5がB1細胞の分化あるいは維持に重要な働きを持つ可能性を示してきた。前年度の研究により、IL-5が成熟B1細胞の生存や恒常性維持のための増殖に非常に重要であること、T細胞以外の細胞からもIL-5が産生され、B1細胞の恒常性維持を支持していることを明らかにした。今年度の研究では、B-1細胞の活性化におけるIL-5/IL-5R系の役割について検討した。 【方法】1)野生型あるいはIL-5R欠損マウスより得た腹腔内細胞からB-1細胞を精製し、抗CD40抗体やLPSの刺激に対するB-1細胞の増殖、抗体産生能を解析した。2)野生型あるいはIL-5R欠損B-1細胞におけるCD40、TLR4/MD2複合体、RP105分子の発現を解析した。3)LPSを経口投与した野生型およびIL-5R欠損マウスの血中や糞便中の抗体量を比較し、LPS刺激によるB-1細胞の抗体産生におけるIL-5の生体内での影響を検討した。 【結果】1)IL-5R欠損B-1細胞は抗CD40抗体の刺激に対する増殖や抗体産生能が低下しており、またLPS刺激による増殖や抗体産生反応も低下した。2)IL-5R欠損B-1細胞はCD40の発現量が低下していた。一方、TLR4/MD2複合体やRP105の発現量については、IL-5Rα欠損による変化は観察されなかった。3)LPSを経口投与した野生型マウスでは、血中や糞便中のIgA濃度が増加したが、IL-5R欠損マウスではLPS投与によるIgA濃度の増加はなかった。 【結論】IL-5/IL-5R系は、B-1細胞におけるCD40の発現維持及び反応性維持に重要であることがわかった。一方、IL-5/IL-5R系はLPS受容体群の発現制御には直接関与せず、IL-5Rα欠損B-1細胞のLPS低応答性には何らかの細胞内シグナル伝達系へのクロストークが関与する可能性が考えられた。
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