研究課題/領域番号 |
02F00341
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬越 佑吉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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研究分担者 |
WU Ying 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | TiAl / 酸化 / 金属間化合物 / イットリウム / 耐熱材料 / 皮膜 / 組織 / 耐酸化性 / 保護皮膜 / 高温材料 / Ti合金 |
研究概要 |
粉末焼結法にて作製したTiAl-Mn-Mo-C合金は、800℃で酸化させると表面にTiO_2およびα-Al_2O_3が形成され、耐酸化性はあまり良好でない。これにイットリウムを添加すると耐酸化性が改善される。特に、0.6at%Y添加の場合は(Y, Al)0タイプの複合酸化物層中のα-Al_2O_3の量が増加し、これが耐酸化性改善をもたらすことが明らかとなった。さらにAl-richγ-TiAlの耐酸化性に及ぼすイットリウム添加効果を調べた。900℃で酸化させた場合、0.1~0.3at%Y添加はTiO_2皮膜形成を抑制し、Al_2O_3酸化保護皮膜形成を促進し、耐酸化性を著しく向上させた。一方、0.6~1.0at%Yを添加すると、Y無添加に比べれば耐酸化性は改善されるが、非保護性のAl_2O_3+TiO_2複合酸化皮膜形成を促し、熱サイクルの際の表面剥離が助長され、耐酸化性は劣化する。0.3at%Y添加は下地金属の上のY-rich層と最外表面部分に連続なAl_2O_3皮膜の形成を助長し、熱サイクルにおいても酸化皮膜の剥離が抑制され、耐酸化性が著しく改善される。耐酸化性に対するY添加効果を明らかにするため、800℃で165時間酸化させた試料の表面酸化層の組織観察を行った。Y無添加の場合は、表面はI(Ti-rich層)、II(Al_2O_3+TiO_2層)、III(TiO_2層)の3層から構成され、酸化保護皮膜として機能しないとともに熱サイクル時において下地金属よりの剥離が助長され、耐酸化性は劣化する。一方、Y添加した試料では、下地金属の上にI(Y-rich層)、II(Al2O3+TiO2層)、III(Al_2O_3層)、IV(TiO_2層)の4層が形成される。このAl_2O_3層が強く保護皮膜として作用し、酸化の進行を抑制する。また、4層間の密着性が大きくまた、熱膨張係数の違いも小さいため、熱サイクルの際の表面剥離が抑制され、耐酸化性改善に繋がる。
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