研究課題/領域番号 |
02F00507
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山根 恒夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授
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研究分担者 |
JIANG XiuPing 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
姜 秀萍 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | モノクローナル抗体 / Fab / B細胞 / 一細胞RT-PCR / 無細胞タンパク質合成系 / 無細胞蛋白質合成 / 抗体 |
研究概要 |
本研究は一個の細胞由来のmRNAからRT-PCRにより抗体をコードするDNA断片だけを増幅し、無細胞タンパク質合成系により発現させるシステムの構築を目指している。すなわちチューブ内だけの連続した反応で抗体遺伝子(cDNA)を増幅し、抗原と結合する活性を持つ抗体分子(ここではFab断片)を無細胞タンパク質合成系で発現させ、ハイスループットにスクリーニングする新規なシステムの開発を目的としている。 本研究実施の結果、以下の結果が得られた。 1.抗体遺伝子のハイブリドーマ細胞からのRT-PCRによる増幅条件の検討 抗体遺伝子は免疫細胞の成熟過程で遺伝子の再構成が起っており、複数のプライマーセットを用いる必要がある。また極微量の鋳型からのPCRの場合、プライマーダイマーや、ターゲット以外の配列にミスアニールすることによる、目的産物以外の増幅が顕著である。そこでまずハイブリドーマを用いて、一細胞由来mRNAからの増幅を検討した。この際副産物の増幅を押さえるのに有効なsingle primerによる増幅反応を試みた。なお用いるプライマーの配列はKabatの抗体データベースを参考に設計した。 2.一細胞RT-PCRによる増幅条件の検討 マウスの脾臓から、抗CD19抗体結合マグネットビーズにより抗体を産生しているB細胞を精製し、それを用いて様々な一細胞RT-PCRの増幅条件を試みた。例えば、細胞の培養日数、RTの条件、PCRのサイクル数など。細胞を培養し、3日目と4日目の場合には、増殖されたサンプルの数が多かった。最終的に、最適化的な1細胞RT-PCR増幅条件を確立した。そして、確立した増幅条件を利用し、非免疫マウスの一個B細胞から抗体L鎖を増幅させることを試みた。IgBLAST databaseおよびGENETYX-MACにより、増幅されたサンプルのシークエンスの解析を行った。その結果、得られた遺伝子は新規マウスL鎖遺伝子であった。 3.マウスからの抗体の取得 あらかじめ抗原を免疫したマウスの脾臓から、抗CD19抗体結合マグネットビーズにより抗体を産生しているB細胞を回収・精製した。確立した反応条件でそのB細胞を鋳型とした一細胞RT-PCRを行った。増幅した遺伝子に、無細胞タンパク質合成系での発現に必要なRNAポリメラーゼのプロモーター配列などをオーバーラップPCRにより付加し、無細胞タンパク質合成系の鋳型としてFabを発現させた。合成されたFabが抗原認識活性をELISA法により調べた。その中で活性が最も高かったFabのH鎖とL鎖のシークエンスの解析を行い、新しい抗体遺伝子が得られたことを確認した。
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